研究課題/領域番号 |
60550673
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学工学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
三輪 茂雄 同志社大, 工学部, 教授 (40066105)
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研究分担者 |
日高 重助 同志社大学, 工学部, 助教授 (80104602)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | アコースティック・エミッション / AE計数総数 / AE計数率 / 粉体圧縮成形体 / 剪断崩壊 / 剪断崩壊音 |
研究概要 |
均質な粒子構造を有する粉体圧縮成形体の製造は、多くの分野でその重要性を増している。今後の新しい均質成形体作成技術の研究の促進および実際の製造において、圧縮成形過程で空隙率分布を連続的に計測する方法を確立することが極めて重要である。本研究では、圧縮粉体層の変形流動における顕著な不連続性(応力一変位関係が不連続)および構成粒子間の微小衝突や摩擦に起因して系外へ放射されるAcoustic Noise(AE)を検出し、その解析により成形体の圧縮状態をオンライン計測する方法を検討した。 まず濃厚な粉体系の計測に対してAEを応用する基礎的研究として、粉体層の圧縮流動における音の発生機構を解明した。密な粉体層の流動においては、粉体層内に一連の間欠的,周期的な剪断崩壊が生じることを明らかにした。その剪断崩壊に起因する音の放射理論を提出し、それによる音圧波形は測定値と良く一致した。発生音の諸量が粉体圧縮時のスベリ帯の発生に直接関係するために圧縮過程でのすべり帯の状態をAEで計測可能なことが分った。次に一般的なAE計測法による剪断崩壊流動における粒子移動状態の計測可能性を検討する目的で剪断試験でのAE特性を測定した。粉体層剪断過程の数値シミュレーション結果にもとづく剪断崩壊周期と測定結果は良く一致しており、粒子群の崩壊流動を十分検出できることが分った。 AEパラメータとしてAE計数総数(発生総数)とAE計数率(発生率)を用いて粉体圧縮過程のAE特性を検討したところ、AE発生総数曲線は、圧縮応力一歪曲線と同じ傾向を示し、またAE計数率曲線は圧縮過程における粒子群の移動状態に関係することが分った。これらの結果は、AEにより粉体圧縮過程における粒子群の圧密進行状態を計測できることを示している。今後AEの周波数スペクトルを用いる計測法を進展させる予定である。
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