研究課題/領域番号 |
60550678
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
反応工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
駒沢 勲 阪大, 基礎工学部, 助教授 (40029476)
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研究分担者 |
久保井 亮一 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (40029567)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 第四級アンモニゥム塩 / イオン会合抽出 / コバルト抽出 / バナジゥム抽出 / 稀釈剤 / 溶媒効果 |
研究概要 |
イオン会合抽出試薬tri-n-octylmethylammonium chloride(TOMAC)による塩酸からの【Co^(2+)】と【VO^(2+)】の抽出機構の解析および抽出平衡関係の確立を行なった。試薬分子に対する安定剤として配位した水分子と塩酸分子の挙動と金属抽出との関係を研究した。次の各項の結果が得られた。 1.抽出機構の定量的表現および稀釈剤と調節剤の影響 (1)塩酸抽出第一段階として塩酸抽出について研究した。稀釈剤として溶媒和作用の異なるベンゼン,キシレン,クロロホルムおよび2エチルヘキシルアルコールを用いた。試薬の水和と塩酸抽出能は各稀釈剤によって大きく異なるが、これは溶媒和効果によって説明できる。塩酸の抽出平衡関係を各稀釈剤について確立した。ここで、酸抽出は配位水との置換によるとした。 (2)金属抽出溶媒和作用の弱いベンゼンを稀釈剤とした場合、金属抽出は金属イオンの抽出は試薬の塩酸附加物との反応、すなわち、金属イオンと塩酸および水分子との置換反応によって進行するとしたモデルによって表現できる。【Co^(2+)】でも【VO^(2+)】でも同一である。さらに、試薬保持率の増大に伴ない金属抽出種は自己会合し、安定化する。溶媒和作用の強いクロロホルムや2エチルヘキシルアルコールの場合、溶媒和作用によって、試薬分子の安定剤分子としての水と酸の必要性を減少させる。したがって、試薬に配位した水と配分子は抽出に関与しない。このため、金属抽出機構は簡単となるが、より大きな影響は試薬の安定化による金属抽出能の低下である。 2.ミキサーセトラによる流通操作 稀釈剤が工業的に用いられるキシレンなどの場合、ミキサー部の撹拌条件の選定とセトラー部の滞留時間を10minていどとすれば2液相の分離(分相性)に問題はない。平衡への到達時間も緩徐な撹拌下でも5minていどであり、問題はない。
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