研究課題/領域番号 |
60560117
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・発酵学
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
宮川 都吉 広島大, 工学部, 助教授 (10116676)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 異担子菌酵母 / 性接合 / 細胞表面蛋白質 / 性フェロモン / 細胞間認識 |
研究概要 |
異担子菌酵母Tremella mesentericaの一倍体栄養細胞(接合型【ab!ー】および【AB!ー】)は性接合に先立ち、相手接合型細胞が分泌する性フェロモン(いずれもリポペプチド)の作用により生殖細胞に変化する。生殖細胞の表面には接合型特異的糖蛋白質が数種出現することが酵素法による表面蛋白標識およびSDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法によって認められた。栄養細胞の表面蛋白とは異なり生殖細胞の表面蛋白は細胞自身のプロテアーゼによる特異代謝を受け速やかに細胞から遊離した。この遊離反応はペプスタチンにより阻害される酸性プロテアーゼによって行われ、性フェロモンに依存して活性を発現した。この時に培地から回収される遊離分子はいずれの接合型とも分子量約5万の糖蛋白であった。等電点は両者若干異っていたことから構造には違いがあると考えられる。事実、V8プロテアーゼによるペプチドマップで両分子に共通のペプチドと両者で異なるペプチドが存在したことから、50K糖蛋白は接合型特異的および非特異的構造から成ると推定した。両者のポリペプチド構造は共通で、修飾様式(例えばリン酸化)に両接合型間で相違がある可能性が考えられる。50K糖蛋白は(単独でも両方でも)両接合型細胞間の性的細胞凝集を著しく促進したことから、いずれの接合型細胞に対しても結合する働きを有すると考えられる。実際【^(125)I】-50K蛋白はいずれの接合型細胞に対しても結合した。これらの結果から、50K蛋白は細胞表面に存在する細胞認識蛋白で(恐らくいずれの接合型細胞をも認識)、複数の結合部位を有する分子として細胞表面から遊離、拡散することにより液体培地における細胞間の性的細胞凝集塊の形成を促進し、凝集中での性的細胞融合を助ける働きを担うと考えた。
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