研究課題/領域番号 |
60560232
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
農業経済学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 忠 (1986) 京都大学, 教養学部, 助教授 (10026586)
菊地 泰次 (1985) 京都大学, 農学部, 教授
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研究分担者 |
新山 陽子 京都大学, 農学部, 助手 (10172610)
宮崎 昭 京都大学, 農学部, 助教授 (80026608)
菊地 泰次 近畿大学, 農学部, 教授 (00026527)
KIKUCHI Taiji Prof., Kinki Univ.
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 肉用牛 / 一貫経営 / コストダウン / 繁殖 / 肥育 / 肉用牛一貫経営 |
研究概要 |
わが国の肉用牛経営のなかには、近年一貫経営への移行をねらい、繁殖経営に肥育部門を導入したり、逆に肥育経営に繁殖部門をとり入れようという動きがある。そこでその実態を調査した。鹿児島県の肉専用種の調査では、母牛や新生子牛の選択、飼料生産と給与、畜舎構造の体系的改善によって一貫経営を有利にできることが明らかであった。こうした経営ではとうもろこしホールクロップサイレージの活用、固定負債を招かない段階的投資、畜舎改造による省力化がコストダウンを可能にしていた。ただ、現在の土地条件や飼料、肉牛の価格のもとでは、個別経営努力に限度があり、制度、金融、委託牛制度、草地や山村を含む農地の流通化の補助などの環境整備面での改善が必要であることも知られた。つぎに北海道では大型酪農経営が広大な畑地でとうもろこしを栽培してホールクロップサイレージを利用する過程で、肥育を大幅にとり入れていた。そこでは新生子牛を自家保留してカーフハッチで哺育し、ついで酪農で利用するうちに生産力が高くなりすぎた広大な草地で放牧して育成した丈夫な育成牛にサイレージを多給して肥育し、低コストによる肉牛つくりを実現していた。さらに山形県では、子牛の市場価格が低迷していたときに、繁殖経営が子牛を自家保留して肥育していくうちに、一貫経営における肉用牛飼養技術を身につけ、その後もひき続き一貫経営を行い、肉牛の低コストによる生産を行っていた。一貫経営では自給飼料の生産拡大と歩調をあわせた飼養規模と内容の漸進的改善が大切である。また一時的な子牛価格の変動に影響されない落着いた経営を行うことが重要である。そして繁殖牛と肥育牛の養分要求量の違いを十分認識した上で、経営内での飼養管理技術の使い分け、ならびに経営内労働力の配分合理化を行うことが望ましい。そうすることによって、一貫経営には無駄が少くなり、肉牛つくりはコストダウンするようであった。
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