研究課題/領域番号 |
60570049
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生理学一般
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研究機関 | 国立循環器病センター |
研究代表者 |
二宮 石雄 循病セ, その他, 研究員 (80033976)
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研究分担者 |
松川 寛二 国立循環器病センター, 研究所心臓生理部, 室員 (90165788)
本田 俊弘 国立循環器病センター, 研究所心臓生理部, 室員 (70173664)
西浦 直亀 国立循環器病センター, 研究所心臓生理部, 室員 (70132933)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 心筋梗塞 / 冠動脈閉塞 / 不整脈 / 心臓交感神経活動 / 心臓迷走神経活動 / アトロピン |
研究概要 |
1.目的 心拍リズムの神経性調節は生理的条件下以上に心筋梗塞時には重要となる。本研究の目的は、直接心臓に分布し、心拍数を調節している交感神経と迷走神経活動を同時に記録しながら、実験的に心筋梗塞を発生させ、神経性不整脈の発現機転を解明することである。 2.方法 ネコ(体重)1.8〜4.2kg)をネンブタール麻酔下で開胸し、冠動脈前下行枝に狭窄用プローベを装着する。神経活動記録用電極を左下心臓枝に装着し、同時に閉塞部の心筋へ心電図電極を装着する。閉胸後、急性一過性の冠動脈狭窄を用い、術後2〜3日に再度冠閉塞を繰返す。心臓交感神経活動、心拍数、動脈圧を覚醒時、アトロピン投与下、麻酔時および麻酔下アトロピン投与時の4条件下で同時記録しながら冠閉塞(100秒)を行い、これらの応答を解析した。 3.結果および考察 安静覚醒時、心臓交感神経活動は閉塞後20秒で23%増加したが、90秒には約7%減少した。この間心拍数はそれぞれ5および17%減少した。アトロピン投与後および麻酔下では、初期の心臓交感神経活動の増加は減少し、他方閉塞後期にみられる心臓交感神経活動の抑制は増大した。閉塞時徐脈は減少した。心拍数は心臓交感神経活動と高い正相関をもって(γ=0.89,0.90,0.96および0.91が4つの条件下に対応して)変化した。心臓交感神経と心拍数の関係直線は麻酔下およびアトロピン投与下では原点を通ったが、覚醒下では徐脈の方向へと移動した。この所見は、心臓迷走神経活動は直ちに増加し、閉塞中継続したことを示唆した。 4.結論 覚醒時の心筋梗塞発生時の不整脈(頻脈或は徐脈)は、心臓交感神経活動と心臓迷走神経活動の増加の相対的不均衡によっておこって来る。閉塞後期の徐脈は、心臓交感神経活動の減少と心臓迷走神経活動の増加の結合によっておこってくる。
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