研究課題/領域番号 |
60570059
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
渡辺 悟 名大, 環境医学研究所, 教授 (00021361)
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研究分担者 |
時々輪 浩穏 愛知県心身障害者コロニー, 発達障害研究所, 室長 (40023650)
JIJIWA HIROYASU Aichi Pref. Colony, Inst. of Develop. Res., Chief Researcher (00021361)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 遠心加速度 / 前庭神経系 / 呼吸 / 心機能 / 心拍出量 |
研究概要 |
本研究で用いられた直径3mの遠心加速機ではハムスターにとって殆んどコリオリー効果は除外してよいことから遠心加速度のみが負荷出来る。比較的長い時間(10分以上)遠心加速度を負荷した際に生ずる前庭-自律系の反応が刺激の大きさと呼吸,心拍,心拍出量の変化との相関で調べられた。ハムスターの様な四足動物は通常の生活で重力のかゝる方向は-Gxの背中から腹方向への負荷がもっとも耐性が強く、先ず心機能に対する影響から見ると、本実験の最大加速度である10gの加速度に対しても、心拍数については顕著な変化を示さなかった。しかし、心拍出量は加速度変化に敏感であり2gから減少し、負荷加速度の大きさにほゞ比例した減少率を示した。これに対して、ヒトの直立のような、+Gz方向の頭から尾へ向う加速度負荷に対しては、最も耐性が弱く4gでほゞ40%の動物は房室ブロックを起し、心不全の状態に落ち入る。しかし、尾から頭方向への加速である-Czの負荷に対しては耐性は強く、4gでは全例に心臓の障害は生じなかった。心拍出量の変化は、-Gxに比較しても大差のない減少率を示しており、頭部への体液移動に対しては脳への循環が良く保たれていることから、心機能に大きな影響を与えないものゝ、+Gzの様に頭からの虚血の現象は脳の機能に短時間の傷害を与え急激に心機能への影響を与える。更に心臓の腹部方への移動は構造的に機械的な影響を受けやすいことを示している。呼吸の変化は心機能とよく平行しているが、-Gxにおいても加速度負荷大きさと比例した呼吸数、呼吸量の減少を示しており、より機械的な影響を受けやすい系であることを示唆している。以上、遠心加速度を動物の各体軸方向に負荷することによって起る自律系の応答について明らかにした。
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