研究課題/領域番号 |
60570064
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経・筋肉生理学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
玉井 靖彦 和歌山県医大, 医学部, 助教授 (00073677)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Oculomotor cortex / Monocular eye movement / Motor cortex / Eye movement / Presylvian sulcus / Anterior ectosylvian sulcus / Coronal sulcus / Cat |
研究概要 |
霊長類や猫の眼球運動に関する一つの重要な原則は、両眼性の共同運動である。しかしながら、私は、coronal溝(COR)の深部皮質の電気刺激によって、対測の単眼性眼球運動が誘発されることを前回報告しました。この研究は、猫を用いてその単眼性眼球運動系の下行路と他の眼球運動に関連した大脳皮質との皮質間線維連絡を、微小電極法及びhorseradish peroxidase(HRP)による神経追跡法によって調べたものである。 CORの深部皮質にあるニューロンは、中脳網様体(MRF)の刺激によって同側性の逆行性スパイクを誘発する。又、逆行性スパイクを誘発するMRFの部位にHRPを注入すると、同じCORの皮質にHRPが標識された細胞体がみつかった。HRPをCORの皮質に入れた場合は、順行性の神経終末が、上丘の深部層近くのMRF,上丘の表面,及び橋核の中にみられた。 cruciate溝(CRU)下の大脳内側半球面、presylvius溝(PRE)及びCOR溝等の、前頭部眼球運動皮質間の線維結合は次のごとくである。CRU溝下の大脳内側半球面は、PRE溝の内側皮質から神経線維を受けている。COR溝の深部皮質は、PREの外側皮質から神経線維を受けている。又、これら全ての前頭部眼球運動皮質は、anterior ectosylvian溝の腹側皮質から神経支配を受けており、これはAES視覚領域と呼ばれている場所(AES)に相当する。さらに、AES溝の腹側皮質にHRPを注入すれば、suprasyvian溝の尾側部(ClareBishop領域の尾側部)の皮質の中にHRP標識細胞がみられた。これらの知見から、単眼性眼球運動系は、他の前頭部眼球運動皮質と同様に、AEVから情報を得ており、又、対側の目を動かすための直接の線維をMRFに送っている事が示唆された。
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