研究課題/領域番号 |
60570112
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
医化学一般
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
谷河 精規 島根医大, 医学部, 助教授 (60084860)
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研究分担者 |
三島 宏一 島根医科大学, 医学部, 助手 (90181875)
土屋 美加子 島根医科大学, 医学部, 助手 (90188582)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1985年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | モノ(ADP-リボース) / たんぱく燐酸化反応 / 膜たんぱく質 / 肝初代培養 |
研究概要 |
先に、我々はcAMP-依存性(A-キナーゼ)及び【Ca^(2+)】-ホスホリピッド-依存性(C-キナーゼ)たんぱく質燐酸化酵素によって燐酸化される燐酸受容体たんぱく質を成鶏肝臓核より精製したADP-リボース転移酵素でADP-リボース化すると、もはや燐酸受容体とはなり得ないたんぱく質に変化することを見出した。燐酸受容体たんぱく質のADP-リボース化に伴う燐酸化低下の解析を行うためA-キナーゼの基質としてケンプタイド(Leu-Arg-Arg-Ala-Ser-Leu-Gly)及びC-キナーゼの基質として逆ケンプタイド(Gly-Leu-Ser-Ala-Arg-Arg-Leu)を用いそのメカニズムを検討した。その結果、A-及びC-キナーゼの認識部位に存在する2つのArgのどちらか一方、又は両方がADP-リボース化されることにより酵素一燐酸受容体の結合が不可能になること、さらにはADP-リボース化されたケンプタイドと逆ケンプタイドはA-及びC-キナーゼの競合阻害物質に変化することが明らかとなった。この様な結果はいずれもin vitroでの観察であるためよりin vivoに近い系すなわち肝初代培養細胞系での検討を試みた。培養液中に[【^3H】]アデノシンと[【^(32)P】]無機燐酸を添加し得られるADP-リボース化たんぱく質と燐酸化たんぱく質との相同性を培養細胞の膜画分について電気泳動法を用いて検索した。その結果少なくとも10種類以上のたんぱく質のADP-リボース化、又8種類のたんぱく質の燐酸化が認められ、その内分子量8.5万,6万,4.2万及び2万のたんぱく質に相同性が観察された。さらに培養液中にニコチンアミドを添加後、経時的に[【^(32)P】]無機燐酸を添加しin vitroで観察されたADP-リボース化反応による燐酸化の低下が認められるかいなかを検討した。その結果ニコチンアミド添加後1〜2時間で無添加の場合と比較して約30%の燐酸化の低下が認められ、なかでも分子量6万及び4.2万のたんぱく質で著明であり、それぞれ50%,55%の低下を観察した。
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