研究課題/領域番号 |
60570127
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
病態医化学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
友田 あき夫 金沢大, 医学部, 助教授 (10092793)
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研究分担者 |
馬渡 一浩 金沢大学, 医療技術短期大学部, 講師 (50135050)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ヒト赤血球 / 3-ヒドロキシキヌレニン / 3-ヒドロキシアントラニル酸 / オルトアミノフェノール |
研究概要 |
トリプトファン及びその代謝物質の代謝は生理的に重要である。この代謝系は肝臓や腎臓などほとんどの臓器の細胞に存在するがヒト赤血球でこのような代謝系が存在するかについては報告がなく十分に検討されていなかった。私達はトリプトファンの代謝中間体である3-ヒドロキシキヌレニン(3-HKN)及び3-ヒドロキシアントラニル酸(3-HAT)の代謝をヒト赤血球を用いて調べたところ、他の臓器で知られているような代謝経路とは異った反応経路で反応が進行し、赤褐色の色素に変化することを見い出した。本研究ではこのようなヒト赤血球における3-HKN及び3-HAT、あるいはこれらの物質の構造類似物質であるオルトアミノフェノールの代謝のメカニズムについて詳しく検討した。その結果次のような研究成果がえられた。 1)ヒト赤血球では3-ヒドロキシキヌレニンはキサントマチンという通常生体内では存在しないと考えられている物質に代謝された。この反応速度は比較的速いので今後3-ヒドロキシキヌレニンが血液中に増加している糖尿病患者について検討を行う予定である。2)トリプトファンの代謝中間体である3-ヒドロキシアントラニル酸は2分子縮合してシンナバリン酸へ代謝されることが、ヒト赤血球を用いて示された。ヒト赤血球におけるこの反応は非常に速いのでその生理的,病理的意義を検討中である。3)オルトアミノフェノールは2-アミノフェノキサジン3-オン(オルトアミノフェノールの二分子縮合体である)へとヒト赤血球内で代謝された。4)これらの反応は赤血球内ヘモグロビンの酸化還元反応と共役しておこることが明らかになった。5)以上の代謝産物は褐色色素であり生体でこのような反応がおきていることについては私達の報告が初めてである。
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