研究課題/領域番号 |
60570181
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
寄生虫学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
岡本 謙一 昭和大, 医学部, 教授 (90053800)
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研究分担者 |
松沢 和世 昭和大学, 医学部, 助手 (90165803)
浅野 和仁 昭和大学, 医学部, 助手 (80159376)
阿倍 正史 昭和大学, 医学部, 助手 (10146821)
中村 文規 昭和大学, 医学部, 講師 (30102346)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
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キーワード | 感染防御 / 小形条虫 / ヌード・マウス / リンパ節細胞 / T細胞 / Lyt抗原IgA |
研究概要 |
小形条虫-マウスの実験系を用い宿主マウスの感染防御機構を検討し次の成果を得た。 1.感染後4日目に採取したマウス腸間膜リンパ節細胞を、本来全く感染を阻止し得ないヌード・マウスの尾静脈中に注入したところ、ヌード・マウスは初感染を阻止した。しかし、このような阻止能の移入は感染10日目、21日目採取の細胞では不可能であった。 2.Thy-1.2,Lyt-1,Lyt-2,各膜抗原に対するモノクローナル抗体を用い、感染阻止能移入に有効な細胞の性質を検索したところ、Lyt-1保有T細胞が有効であることがわかった。 3.阻止能移入に無効であった10日目採取の腸間膜リンパ節内のT細胞を、虫卵抽出液添加RPMI-1640培地中で培養すると阻止能移入可能な細胞に転換し、かつ【^3H】-TdRの取り込みが増加することがわかった。このことから、虫卵抽出物添加によりT細胞の芽球化が促進されることが示唆される。 4.感染マウス血清中の抗体検出法としてImmunobinding法が有効であり、また、酵素抗体法で感染後3週以降の虫体表面にIg.Aの陽性反応が認められることを示した。 5.一般動物の近交系に相当するselfed strainの創出に着手し、現在、20代を越える小形条虫1個体寄生を繰り返し、その虫体を確保している。 腸管における感染防御機構を体液性、細胞性の両免疫の立場から解析しているが、この研究で用いている小形条虫-マウスの組合せは、特にこれまで未知であった腸管の細胞性免疫の機構を明らかにしつつある。今後、寄生虫側の遺伝的back groundに配慮した解析を計画していく必要がある。
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