研究概要 |
1.ボイド赤痢菌C13より, Hsdプラスミドであるp.SB13を分離し, 大腸菌で制限酵素Sbo13を産生させる事に成功した. Sbo13はNruIのアイソシゾマーである事が見い出されたが, 安定な酵素であり, かつ, 大腸菌で大量に製造出来るので, 遺伝子操作に有用と考えられる. 2.約120株のサルモネラから制限酵素産生菌をスクリーニングし, StyI, KpnI, AvaII及びPvuIIのアイソシゾマーを発見した. このうち, KpnIのアイソシゾマーであるSthIは, KpnIとは異なり, 一本鎖の5´末端を形成するので, 組み換えDNAに利用可能である. 3.赤痢菌やサルモネラと同じ腸内細菌株に属するエルシニア・エンテロコリチカから, YenIと命名された制限酵素を発見した. YenIはPstIのアイソシゾマーであり, 血清型08のみに見い出された. YenIは低温でも活性が高く, 低温細菌であるエルニシアの性質をかねそなえている事は興味深い.
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