研究課題/領域番号 |
60570208
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ウイルス学
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
内田 孝宏 徳島大, 医学部, 教授 (60045325)
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研究分担者 |
田代 文 徳島大学, 医学部, 助手 (40136213)
内山 恒夫 徳島大学, 医学部, 助手 (90151901)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 単純ヘルペスウイルス / 神経芽腫細胞 / 潜伏感染 / ウイルス増殖抑制 / サイクリックAMP / 培養温度 / ウシ胎児血清 / 【Ca^(2+)】拮抗剤 |
研究概要 |
サイクリック(c)AMPを処理したヒト神経芽腫株化細胞(IMR-32)に単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1)を感染すると、ウイルスの増殖が抑制され、in vitroにおける潜伏感染のモデルと考えられる。cAMPで37℃,6日間前処理し、HSV-1感染後さらにcAMPの存在化で培養するとウイルス増殖は抑制される。抑制作用はcAMPの濃度に依存し、0.5〜1.0mMで効果はほゞ完全に現われた。抑制作用はcAMP特異的であり、また、細胞種特異的であった。感染の度合を0.01以上に高めるとcAMPの抑制作用は低下した。培養液に添加するウシ胎児血清の濃度(通常1%)を高めるとcAMPの抑制効果は減弱した。また、使用する血清のロットによりcAMPの抑制効果に変動がみられた。これらの成績はcAMPの作用に対する拮抗因子が血清中に含まれていて、血清ロットによって含量が不均一であることを示唆した。本研究では、血清のロットを選び再現性のある結果の得られる条件を設定した。 cAMPによりHSV-1の増殖抑制をうけた培養から試薬を除去すると、ウイルス増殖が開始する。即ち、cAMPの抑制作用は可逆的であった。cAMPの存在下で培養温度を34.5℃に下げると、ウイルス増殖がみられた。温度を34.5℃から38.5℃に上げるとウイルス増殖は強く抑制された。遊離ウイルスは38.5℃で不活化をうけるが、その程度はcAMPの存否に関係なかった。また、高温で培養してcAMPを除去するとウイルスの産生がみられるので、cAMPの作用は放出されたウイルスの不活化ではなく、IMR-32細胞内でのHSV-1増殖抑制であると結論した。 【Ca^(2+)】拮抗剤のベラパミルをcAMP処理したHSV-1感染細胞に添加し、cAMPを除去してもウイルス増殖は抑制されたまゝであった。cAMP処理した感染細胞にphorbol esterを作用したが、ウイルスは産出されなかった。さらに、ウイルス増殖抑制機構の検討を要する。
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