研究課題/領域番号 |
60570216
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
布施 晃 千葉大, 医学部, 助手 (60110300)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | マウスIL2 / 遺伝子発現 / ウィルスベクター / パピローマウィルス |
研究概要 |
マウスIL2の生物学的,物質学的性状をあきらかにするためにIL2遺伝子をクローニングし、ウィルスベクターに挿入し、培養細胞で発現させることを試みた。マウスIL2遺伝子はコンカナバリンAで刺激したマウス脾臓細胞より調製したCDNAライブラリーより合成プローブを用いてクローニングした。IL2cDNAはSV40後期プロモーターの下流に連結し、ウシパピローマウイルス(BPV)DNAに挿入した。得られたIL2-BPV DNAはCa-リン酸沈澱法によりマウスC127細胞にトランスフェクトした。3週間後に生じたフォーカスより7株のトランスフォーマント細胞を得た。これらの細胞株の培養上清についてIL2活性を調べたところ3〜15単位/ml産生していた。この産生量はSV40の複製系を利用したCos細胞でのトランジエントな発現系(Kashimaら)よりも100倍程度低ったが、プラスミドあたりのIL2産生量は同程度であった。この系の特徴である持続的なウィルスベクー感染について調べたところ、6ケ月後に7株中 株でDNAの脱落が起きていたが、そのうち2株は細胞DNAにインテグレートされていた。脱落しなかった細胞株でもウィルスコピー数の低下が認められた。低下した細胞でのIL2産生量はそれに比例して低下していた。このような、ウイルスベクター(パピローマウィルス)のコピー数減少は他の遺伝子の発現の際にも認められており、この系の欠点でもあるが、数ケ月前間の培養では安定しており、充分目的の遺伝子産物の発現系として利用可能であると思われる。今後は、長期間安定に細胞内に維持されうるウィルスベクターの開発と発現量を高めるための強力なプロモーターの導入が課題である。
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