研究課題/領域番号 |
60570276
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
法医学
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研究機関 | 高知医科大学 |
研究代表者 |
石津 日出雄 高知医大, 医学部, 教授 (70033157)
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研究分担者 |
津々見 明 高知医科大学, 医学部, 助手 (50155420)
山本 雄二 高知医科大学, 医学部, 助手 (30136379)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 人獣鑑別 / 血痕 / 体液斑 / モノクローナル抗体 / ELISA |
研究概要 |
モノクローナル抗体を使用したELISA法により、特異性及び鋭敏度の高い人獣鑑別法の確立を試み、ほぼ所期の目的を達したので、以下にその成績を報告する。抗ヒトアルブミンモノクローナル抗体(Mo抗ALB)を使用したELISA抑制法は非常に鋭敏度が高く(検出限界1ng),ヒト血液の1000万倍希釈までヒトアルブミンが検出可能であった。新鮮なヒト血痕では200万倍希釈まで、作成後4年及び12年のヒト血痕では、それぞれ200万倍及び10万倍希釈までヒトアルブミンの検出が可能であり、本法は陳旧な血痕の人獣鑑別にも利用可能であった。一方、抗ヒト免疫グロブリンk鎖モノクローナル抗体(Mo抗k)を使用したELISA抑制法は、鋭敏度はMo抗ALBを使用した方法に比べやや劣るが(検出限界0.1μgヒトIgG),ヒト血液の10万倍希釈までヒト免疫グロブリンk鎖の検出が可能であった。新鮮なヒト血痕では10万倍希釈まで、作成後1年ヒト血痕では5万倍希釈まで、作成後2年及び4年では1万倍希釈までヒト免疫グロブリンk鎖の検出が可能であり、比較的陳旧な血痕の人獣鑑別にも利用可能であった。しかしながら、特異性はMo抗kを使用する方法が優れており、Mo抗ALBを使用する方法はチンパンジー及びニホンザルの血液,血痕に強い交差反応がみられたが、Mo抗kを使用する方法は、ニホンザル以下の各種動物には交差反応を示さず、チンパンジーについては交差反応は認めたが、実験的にはヒトとの鑑別が可能であった。血液以外の体液(唾液,尿)については今回の方法では満足できる鋭敏度がえられなかった。以上のように、今回我々が行なったモノクローナル抗体を使用するELISA法による血痕の人獣鑑別法は、鋭敏度及び特異性ともに優れた方法であることが明らかとなった。特にMo抗ALBを使用するELISA法は鋭敏度に優れ、Mo抗kを使用するELISA法は特異性に優れていた。
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