研究課題/領域番号 |
60570294
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
内科学一般
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
草場 公宏 九大, 医学部, 講師 (10091290)
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研究分担者 |
岩橋 徳二 九州大学, 医学部, 医員
長沢 浩平 九州大学, 医学部, 助手 (00108721)
IWAHASHI Tokuji Faculty of Medicine, Kyushu University , Research fellow
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 全身性エリテマトーデス(SLE) / 免疫グロブリン欠損症 / IgM欠損 / 抗ATLA抗体 / lupus anticoagulant / SLEと自然流産 / SLEと感染症 / 帯状疱疹 |
研究概要 |
全身性エリテマトーデス(SLE)の発症に係る個々の遺伝要因と環境因子を明らかにし、その相互作用を解明することを目的に研究を行い、次のような成績を得た。 1.357例のSLE患者中2例の選択的免疫グロブリン(Ig)A欠損と4例の選択的IgM欠損を見出した。in vitroにおけるIgM産生能を検討した結果、IgM欠損の発生機序として1)IgM特異的サプレッサーT細胞機能亢進 2)IgM産生B細胞機能低下とIgM特異的ヘルパーT細胞機能低下の併存の2型が確認され、SLEにおけるIgM産生低下の機序が単一ではないことが判明した。IgM欠損の1例は続発性であることが確認され、これらのIg単独欠損が主遺伝子突然変異によるか否かは、現時点で明らかではない。 2.128名のSLE患者中ヒト成人T細胞白血病ウイルス(HTLV-I)に対する抗体陽性者が5名見出さへれた。本ウィルス感染とSLE発症との間に因果関係は見出せなかったが、ある種の自己抗体が本ウィルス関連抗原の一部と交叉反応性を有する可能性がありことが示唆された。 3.70名のSLE患者中11名(16%)にlupus anticoagulant(LA)が見出された。LAはある種のリン脂質に対する自己抗体と考えられているが、LA陽性SLE群では陰性群に比べて自然流産や血栓症を発症する頻度が有意に高く、SLEの一部の病型を規定する上でLAがきわめて重要な役割を果していることを明らかにし得た。 4.147名のSLE患者に併発した感染症について詳細に分析した。本症においては水痘・帯状疱疹ウィルス(VZV)感染がきわめて高率にみられた。今回の成績から、SLEには、VZVの体内での再活性化を容易に許す免疫不全状能が存在することが判明し、本症発症とウィルス感染の係りを考える上での1つの手懸りを得た。
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