研究課題/領域番号 |
60570365
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
木村 和文 阪大, 医学部, 講師 (40028402)
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研究分担者 |
井坂 吉成 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (60202925)
恵谷 秀紀 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
ETANI Hideki Osaka University Medical School, Medical Staff
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 血小板 / In-111 / Tc-99m / アスピリン / チクロピジン |
研究概要 |
虚血性脳血管障害12例を対象として、頚動脈硬化性病変における血小板集積に対する抗血小板薬の効果を検討した。血管壁における血小板の集積率(PAI:platelet accumulation index)は、indium-111標識血小板,technetium-99m標識人血清アルブミンを併用して、血管壁に集積した標識血小板と流血中に存在する標識血小板の放射能比として表わした。PAI値は、抗血小板療法の全く行われていない時(baseline)と、抗血小板療法後(アスピリン650mg/日、チクロピジン300mg/日)の計3回測定した。Baseline時のPAI(%)値は虚血性脳血管障害群で15.7±15.3%(mean±SD)、12例の健常人で-4.3±9.1%であり、虚血性脳血管障害群のPAI(%)値は健常例と比較して有意の高値を示した。虚血性脳血管障害例でbaseline時にPAI値が健常例のmean+2SD以上(13.9%)を示したのは12血管であった。このような部位のPAI(%)はbaseline時,アスピリン治療時,チクロピジン治療時においてそれぞれ、29.5±7.0%,11.2±8.5%,21.4±21.3%であり、アスピリン投与時において頚動脈分岐部への血小板の集積抑制作用が認められた(P<0.01)。他方チクロピジン投与時にもPAI値の低下を認めた症例もあったが、統計的な有意性は認められなかった。 以上のことから、in vivoでの頚動脈硬化性病変の血小板集積抑制作用はアスピリン650mg/日の方がチクロピジン300mg/日よりもすぐれていることが推定された。アスピリンは脳卒中の病型や脳血管造影所見の重症度と関係なく、ほとんどの症例で顕著な抗血小板作用を示した。チクロピジンでは、invivoで抗血小板作用の発現するものとしないものが存在することが推定された。
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