錐体外路疾患における神経伝達物質の臨床的および実験的検討

• 研究課題/領域番号: 60570371
• 研究種目: 一般研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 神経内科学
• 研究機関: 北里大学
• 研究代表者: 古和 久幸 北里大学, 医学部, 教授 (90050369)
• 研究分担者: 小山内 幹浩 北里大学, 医学部, 助手 (00160838) ; 長谷川 一子 北里大学, 医学部, 講師 (70146372) ; 鳥居 順三 北里大学, 医学部, 助教授 (00050386) ; 徳増 厚二 北里大学, 医学部, 教授 (70050375)
• 研究期間 (年度): 1985 – 1986
• 研究課題ステータス: 完了 (1986年度)
• 配分額: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円); 1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円); 1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
• キーワード: パーキンソン病 / 神経伝達物質 / HVA / 5-HIAA

研究概要

錐体外路系疾患の症状発現に神経伝達物質の異常が関与している事が知られている。我々は錐体外路系疾患のうちパーキンソン病に興味を持ち、この神経伝達物質の異常が髄液に反映されているか否かをDOPAHIN系代謝産物のHVA、セロトニン系代謝産物の5HIAAを測定することにより、検討した。その結果、パーキンソン病治療薬の種類、量の多少にかかわらず、パーキンソン病患者では、Yahrの重症度が増すのに従ってHVA、5-HIAA濃度が低下する傾向が得られた。これにより、髄液HVA値は日常生活労作の程度をある程度反映しているものと考えられた。また、5-HIAA値も、パーキンソン病における神経伝達物質異常はドーパミン系のみにあるのではない事を示唆していると思える。この事は、錐体外路系疾患をみるうえで、単一系統のみの注目では不充分である事をも意味し、今後の病態検討、また、治療法を考えるうえでも重要なことと思える。
実験的なパーキンソン病発症に関する研究では現在、定位的脳手術手技を小山内を中心に獲得し、今後の薬剤投与への実験へと進んでいる途上にある。この途上で、現在我々が臨床工学で得たTRHによる症状コントロールへの可能性を検討していく予定としている。実験的研究が遅れぎみの点があり、報告書はやや延期とさせていただきたい。