研究課題/領域番号 |
60570375
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
宮原 正 慈恵医大, 医学部, 教授 (70056456)
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研究分担者 |
辛島 仁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (00169658)
今井 健郎 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (80138718)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 尿毒症性ニューロパチー / 組織培養法 / uremic toxin / 尿毒症患者血清 / ミエリン糖脂質 / CNPase / メチルグアニジン / グアニジノコハク酸 |
研究概要 |
尿毒症性末梢神経障害の成因を解明するべく、組織培養法を用い、uremictoxinのneuro toxicityについて以下の如く検討した。 (1)末梢神経培養法の確立:胎生期マウス脊髄後根神経節を顕微鏡下で採取しコラーゲン塗布プラスチック皿上に植え、培養液(Eagle'sMEM、600mg/dl glucose、25%FCS、10%マウス胎児抽出液、1μg/ml NGF)に浸し、36℃、5%【CO_2】下で培養した。対照実験の結果、胎児抽出液の添加とコラーゲンの存在がmyelinationに有利な条件と考えられた。 (2)上述の培養法を用いin vitroでの末梢神経のDevelopmental studyを形態学的及び神経化学的に検討した。電顕的解析を培養1週毎に行ない、セレブロシド、スルファチドの生合成とCNPase活性を経時的に測定した。電顕的には培養2週目にneutiteにschwann cellが巻きつく初期像をみ、3〜4週目にはmajor dense line、intra period lineを有するcompact myelinが観察された。セレブロシド及びスルファチドは1週目より生合成を認め3〜4週目にかけて著明な増加が認められた。CNPase活性も時相的に同様の上昇カーブを描き、形態学的成長と生化学的成熟とがほぼ同時に行なわれていることが確認された。 (3)これらの結果を踏まえ、同じ培養条件下で、尿毒症患者血清、正常人血清、メチルグアニジン(MG)、グアニジノコハク酸(GSA)の添加を行ない、末梢神経組織への影響をセレブロシド、スルファチドを指標として検討した結果、従来uremic toxinといわれているMG及びGSAは糖脂質合成に影響を与えなかった。尿毒症患者血清ではメヂウム中濃度が10〜20%の低濃度では影響を認めなかったが80%では、正常人血清がセレブロシドの生合成を促進するのに比し、逆に著明な低下をみた。以上の結果より、uremic neuropathyの成因としてMG、GSA以外のuremic toxinが関与しているのか、或は、尿毒症患者血清には正常人血清に含まれるミエリンの生合成を促進する因子が欠乏しているのか、いずれかの可能性があり今後更に検討を加えたい。
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