研究課題/領域番号 |
60570390
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
循環器内科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
米田 正太郎 阪大, 医学部, 助手 (20127319)
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研究分担者 |
松山 知弘 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (10219529)
藤沢 篤史 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
鵜山 治 大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (00185076)
FUJISAWA Atsushi Osaka University Medical School, Medical Staff
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | 脳循環 / 神経ペプチド / 自律神経系 / 同一神経内共存 / 神経間相互作用 / 2重標識間接螢光抗体法 / 免疫電顕法 |
研究概要 |
従来、カテコラミン(CA)とアセチルコリンの自律神経2重調節といわれてきた脳循環の神経性統御機構は近年多数の神経ペプチドが発見され、複数の伝達物質の同一神経内共存が提唱されるに至ってより複雑である可能性が示唆されている。本研究では主に形態学的な面よりこれら調節因子の系統的把握を目的とした。 (1)2重標識免疫電顕法により脳血管支配神経においてCA神経にNeuropeptide Yが共存することを明らかとした。(2)2重標識免疫電顕法により脳血管壁終末部においてCA神経とVasoactive Intestinal Polypeptide神経がほとんど常に近接して存在すること、またCA神経とSubstanceP神経もしばしば近接して存在することが明らかとなった。このことよりこれら神経系の相互作用の可能性が示唆された。(3)脳血管壁Substance P神経は同時にCalcitonin gene-related peptideを含むことを2重標識間接螢光抗体法により明らかとした。(4)CA神経の起始である上頚神経節において、節前神経由来のLeu-Enkephalin,Corticotvopin Releasing Factor陽性線維がCA細胞に直接シナプスを形成し何らかの調節を行なっていることを免疫電顕法により明らかとした。(5)神経節内interneuronであるSIF cellにはL-ENKとSerotoninが共存し、この細胞の突起もまたCA細胞にシナプス結合していることを免疫電顕法により明らかとした。 以上のことより脳血管壁には少なくとも3種の神経系(CA/NPY,VIPSP/CGRP神経系)が存在し、それらの相互作用の可能性があること、またCA/NPY神経系ではその起始において、神経ペプチドにより多様な調節をうけていることが明らかとなった。本研究により脳循環の神経性調節における神経ペプチドの位置づけが明確となり、今後の病態生理研究などへ基礎的情報を提供し得たと考えられる。
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