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血清リポ蛋白の動脈組織内濃度の決定と泡沫細胞の生成との関係

研究課題

研究課題/領域番号 60570407
研究種目

一般研究(C)

配分区分補助金
研究分野 循環器内科学
研究機関慶応義塾大学

研究代表者

秦 葭哉  慶応大, 医学部, 講師 (70051258)

研究分担者 石井 寿晴  慶応義塾大学, 医学部病理, 講師 (30101893)
福沢 恒利  慶応義塾大学, 医学部内科, 助手 (40146593)
及川 孝光  慶応義塾大学, 医学部内科, 助手 (20129357)
山内 喜夫  慶応義塾大学, 医学部内科, 助手 (20129711)
山本 実  慶応義塾大学, 医学部内科, 助手 (30129720)
研究期間 (年度) 1986
研究課題ステータス 完了 (1986年度)
配分額 *注記
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
キーワード動脈組織内リポ蛋白 / 血清アポリポ蛋白 / LDL / アポB / 組織内部環境 / 泡沫細胞 / 動脈硬化
研究概要

剖検例26例より得た胸部大動脈の正常部分の組織内リポ蛋白をアポ蛋白を指標として検討した。1)蛍光抗体法でアポA-【I】,A-【II】,B,C-【II】,C-【III】,Eの存在が確認された。2)組織よりのリポ蛋白の回収には、トリス塩酸緩衝液を用い、氷冷下3分のホモジナイズが適当であった。3)回収した組織液のPAG電気泳動を脂質染色すると、血清VLDL,LDLと同移動度のバンドが存在した。4)組織液をSDS密度勾酸PAG電気泳動しても、血清と同じ種類のアポ蛋白が全種類検出された。5)電顕下でもVLDL,LDLと同じ粒子が認められた。6)回収試験によりアポBを含むリポ蛋白の約2/3は、組織間液に溶けるか、周囲組織にゆるく付着して存在すると考えられた。7)正常動脈組織の水分含量は70%であった。そのすべてが細胞外液であると仮定してアポ蛋白濃度をmg/dlの単位で表わすと、アポBは血清の1/7〜1/10,アポA-【I】,A-【II】は約1/50であった。8)剖検例の生前最後の血清コレステロールと動脈組織内アポB濃度は正の相関を示した。
これらの成積からみると、内皮の配例が保たれ、病変の形成をみない正常動脈組織では、内皮が境界になり、調整された量の血清リポ蛋白が組織に取り込まれ、血清とはLDLで約1/10の勾配をもった濃度のリポ蛋白が組織間隙を流れて、組織の内部環境を形づくっていると考えられる。この内部環境の変化が細胞内への脂質の取り込み量をかえ、ひいては蓄積につながるとみられる。今後、正常動脈組織としては、血圧や血流の影響の少ない肺動脈組織における組織内リポ蛋白の濃度を調べて、上記の結果を再確認すると共に、動脈硬化の病変組織内での変化を解析したい。まず内皮障害がおきただけの状態をみ、つぎに初期病変のfatty streak、ついで進行病変fibrous plaqueにおける組織内リポ蛋白濃度を比較して、泡沫細胞生成との関係、病変の進行との関係を検討したい。

報告書

(1件)
  • 1986 研究成果報告書概要
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 秦葭哉: 脈管学. 23. 563 (1983)

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  • [文献書誌] 秦葭哉: 動脈硬化. 16(抄). 18 (1984)

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  • [文献書誌] Hata,Y.& Nakajima,K.: Proceedings of 7th International Symposium on Atherosclerosis. 7. 104-105 (1985)

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  • [文献書誌] 秦葭哉,中島久実子: 最新医学. 39. 1839-1845 (1984)

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  • [文献書誌] 秦葭哉: Clinician. 81. 487-492 (1984)

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  • [文献書誌] 秦葭哉,中島久実子: Therapeutic Research. 3. 101-109 (1985)

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  • [文献書誌] 秦葭哉,中島久実子: 脈管学. 25. 247-254 (1985)

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  • [文献書誌] 秦葭哉,中島久実子: 61年度「血管代謝」研究報告集. 1-4 (1987)

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  • [文献書誌] 秦葭哉,中島久実子,山本実,山内喜夫,石井寿晴: 動脈硬化.

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  • [文献書誌] Y.Hata;K.Nakajima: J.Clin Biochem Nutr.2.

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      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hata,Y, & Nakajima,K.: "Serum Lipoproteins and Vascular Tissues" Proc. 7th Int,Symp.Atheroscler.7. 104-105 (1985)

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      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hata,Y. & Nakajima, K.: "Lipoprotein Size and Atherosclerosis" Therap. Res.3. 443-451 (1985)

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      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hata,Y. & Nakajima, K.: "Serum Lipoproteins in the Normal Arterial Tissues" J. Jpn Coll. Angiology. 25. 247-254 (1985)

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      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hata,Y & Nakajima,K.: "Serum and Arterial Tissue Lipoproteins" Saishin Igaku. 39. 1839-1845 (1984)

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      1986 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Hata, Y. & Nakajima.K.: "Serum Lipoprotein Concentrations in Normal Intima of Human Aorta" J. Clin. Biochem. Nutr.

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      1986 研究成果報告書概要

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公開日: 1987-03-31   更新日: 2016-04-21  

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