研究課題/領域番号 |
60570422
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
小児科学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
新美 仁男 千葉大, 医学部, 助教授 (40009147)
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研究分担者 |
YASUDA Toshiyuki Department of Pediatrics, Research (00211615)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1985年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
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キーワード | ステロイド骨粗鬆症 / 慈大式重症度分類 / 第【II】中手骨マイクロデンシトメトリー法 / 血漿イオン化カルシウム / 1αハイドロオキシビタミン【D_3】 / ハイドロオキシプロリン / 副甲状腺ホルモン / カルチトニン |
研究概要 |
小児のステロイド骨粗鬆症では、血液の生化学的な検査はほとんど正常範囲内にあった。しかし、血漿イオン化カルシウムは胸腰椎の骨×線像による慈大式分類での重症度とよく相関し、本症の早期診断に有用ではないかと考えられた。C末端およびN末端で測定した血中副甲状腺ホルモン(PTH)はいずれも正常範囲にあり、血中カルチトニンも正常範囲内にあった。この点については、近年開発された感度のよいmidregion PTHで再検する必要があろう。 本症の治療と予防に関する予備試検として、腸管のカルシウム吸収障害を改善し、小量投与では骨形成促進効果が期待される1αハイドロオキシビタミン【D_3】(1α【D_3】)の少量(0.015〜0.03μg/kg/日)の長期投与を試みた。1年以上投与を続け得たものは13例であるが、投与期間中血液生化学検査で異常を認めず、尿中カルシウム・クレアチニン比も正常範囲内にあった。また、骨コラーゲンの代射産物であるハイドロオキシプロリンの尿中排泄は、測定した全例で2ケ月目には排泄量の低下を認め、その後も低値を持続するものが多く、骨吸收抑制的に作用していると思われた。 さらに、3〜4ケ月ごとに撮影し検討した慈大式分類の重症度および第【II】中手骨マイクロデンシトメトリー法(MD法)での各指標の変化をみると、慈大式分類の重症度ではほとんど不変で悪化はみられなかったが、MD法の各指標の変化には一定の傾向が認められなかった。これらの症例ではステロイド剤投与が続いているにもかかわらず、1α【D_3】投投与中は尿中ハイドロオキシプロリン排泄が減少し、慈大式分類での重症度に悪化が見られず、副作用もないので、小量の1α【D_3】投与は小児のステロイド骨粗鬆症の治療および予防に有用ではないかと思われた。しかし、この点についてはさらに長期間の観察が必要であろう。
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