研究課題/領域番号 |
60570483
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
松野 昂士 北里大, 医学部, 講師 (80104537)
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研究分担者 |
桜井 清子 北里大学, 医学部, 講師 (60050506)
小石 真純 東京理科大学, 薬学部, 教授 (70084423)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 骨ファントム / 骨塩定量用人工骨 / 無機質壁マイクロカプセル / 多核マイクロカプセル / マイクロカプセル / CT値 / CTスキャナ / 骨塩定量 |
研究概要 |
加齢による骨粗鬆症の診断、さらに近年の血液透析の普及に伴う慢性腎不全患者の腎性骨異栄養症の診断および治療に、骨塩量の非侵襲的定量は不可欠である。骨塩量測定の方法はX線写真法、光子吸収法などいろいろ提案されているが、定量性が悪い、装置が極めて高価であるなどの理由によりあまり普及していない。近年、体部用CTスキャナを用いる方法が検討され始め良好な結果が得られている。この方法によると、日本国内だけでも数100台以上が使われている装置をそのまま利用することができ、しかも精度の高い値が得られる。本方法は、X線吸収に関して極めて均質であり、しかも任意のCT値を有する骨ファントムを必要とする。本研究は既存の骨ファントムが有する欠点を補い、優れた特性をもつ骨ファントム素材を開発するために行なわれた。2種の固体/固体複合材料を素材として用いた場合に満足すべき良好な結果が得られた。1種はナイロン12マイクロスフェアと二酸化チタン微粒子からなる無機質壁マイクロカプセルであり、もう1種は二酸化チタン微粒子をコア物質、ゼラチンを被覆物質とする多核マイクロカプセルである。無機質壁マイクロカプセルは、静電気力で複合化された【I】型と、さらに高度に芯物質と被覆物質がハイブリダイザーによって複合化された【II】型が開発された。多核マイクロカプセルは、二酸化チタン微粒子含有量が10、30および50%で、粒径がそれぞれ0.5、1.0、2.0mmのものが調製された。使用されたナイロン12マイクロスフェアおよび二酸化チタン微粒子の粒径は順に5.0、0.3μmである。上記無機質壁マイクロカプセルと多核マイクロカプセルの加圧成形(20t/【cm^2】)によって骨ファントムが調製された。骨ファントムは体部用CTスキャナでその性能が詳細に評価され、大部分のものがX線吸収に関して十分に均質であり、実用上優れた骨塩定量用骨ファントムとなりうることが明らかにされた。
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