研究課題/領域番号 |
60570510
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 滋賀医科大学 (1986) 国立武蔵療養所 (1985) |
研究代表者 |
加藤 進昌 滋医大, 医学部, 助教授 (10106213)
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研究分担者 |
渡辺 倫子 国立精神, 神経センター・神経研究所, 研究員
永木 茂 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20130271)
WATANABE Noriko Div. of Diagnostics, National Center Neurol. Psychiat.
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | ドパミン / コレシストキニン / ソマトスタチン / ハロペリドール / 6-ハイドロキシドパミン / プロラクチン / ラット |
研究概要 |
精神分裂病の原因として、いわゆる「ドパミン過剰仮説」があることは周知の事実である。実際、夛くの抗精神病薬が抗ドパミン作用を示すなど、その根拠は依然有力であるが、それのみでは説明できない面も夛く、疾患の本態は依然不明といわざるを得ない。他方、近年になって夛くの神経ペプチドが発見され、アミンとの関連も種々論義されている。本研究では、ドパミン・ニューロンとペプチドとの機能連関を明らかにする目的で実験を行い、以下の結果を得た。1)代表的抗精神病薬であるハロペリドールの慢性投与を、ミニポンプによる慢性投与と腹腔内注射による間歇投与に分けて検討したところ、血中ラット・プロラクチン値は間歇投与では上昇反応が維持されるのに対し、持続投与では急速に上昇反応は消失し、逆に分泌抑制がみられた。従って下垂体プロラクチン分泌系では耐性の発現がありうるわけで、投与法の違いが効果発現に影響することが示された。2)他方脳内コレシストキニン量はいずれの投与法でも増加し、線条体・前脳部辺縁系で特に顕著でその効果も長く持続した。3)次に6-ハイドロキシドパミンの脳室内投与によって前シナプス性にカテコラミン神経終末を破壊して、ペプチドに与える影響を検討した。脳内コレシストキニンとソマトスタチン量は同処置によってともに増加し、特に中脳,線条体,前頭皮質,辺縁系などドパミン線維の分布する領域に顕著であった。従って、両ペプチドはドパミンによって抑制性の支配を受けていることが考えられた。また、しばしば言及されるドパミンとコレシストキニンの共存ニューロンの存在は、かなり分布が限定されているように思われる結果であった。以上より、ドパミン性ニューロンと密接に関連するペプチドの存在が明確に示されたが、今後はペプチド性ニューロンに対するドパミンの作用機序について、遺伝子レベルの解析などを含め、より詳細に検討していくことが必要と思われる。
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