研究課題/領域番号 |
60570555
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
北 堅吉 三重大, 医学部, 助手 (90169847)
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研究分担者 |
北 徹 京都大学, 医学部, 助手 (60161460)
田中 公 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20115710)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | コレステロール代謝 / LDL / アセチル化LDL / LDL受容体 / 単球-大食細胞 / 単球分化 / 急性骨髄性白血病 |
研究概要 |
本研究の成果として、1)家兎大食細胞での各リポ蛋白受容体測定法の確立、2)家兎及びヒトコレステロール代謝の指標としてのacejl CoA cholesterol transferase(ACAT)活性測定法の確立、3)各リポ蛋白添加培養におけるACAT活性とoid red O染色によるコレステロール染色の関連の明確化が達成された。特に、各リポ蛋白受容体やACAT活性の測定が大量の細胞を必要とするのに対し、Oil red O染色による検討は個々の細胞についての検討を可能とするため、大量の細胞が入手困難な正常ヒト単球系細胞でのリポ蛋白及びコレステロール代謝の検討を可能とした。本法による検討は、さらに他の細胞化学や表現型解析と同じlevelでの解析を可能とした点で優れている。 これらの方法による検討から、mouse、家兎、ヒトによりacetyl-LDLの取り込みが異なることが示された。mouseではacetyl LDL>LDL,家兎LDL>acetyl-LDL,ヒトacetyl LDL≧LDLであり、単球-大食細胞分化を検討するにあたって十分に留意されるべき知見であった。正常ヒト単球の検討では、新鮮細胞、phorbol ester添加細胞において、他の細胞化学、表現型に大きな変化は観察されなかったのに対し、acetyl-LDL添加培養系ではphorbol ester添加培養細胞で形態の泡沫化に伴いOil red O染色の陽性度が高まり、本検索法が単球系分化の指標となりうる結果が得られた。しかし、現在単球系分化のモデルとされている骨髄球系細胞株ではLDLの取り込みは認められるものの、acetyl LDLの取り込みは認められず、これらの細胞株が真に大食細胞へ分化をしていない可能性が示唆された。この現象は急性単球性白血病細胞でも認められ、今後の重要な課題として残された。以上のように、単球一大食細胞系分化におけるコレステロール代謝の解析は従来からの細胞化学や免疫学的手法と同様に、この細胞系の機能と分化を解明するうえで極めて重要であることが確認された。
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