研究分担者 |
七島 勉 福島県立医科大学, 内科学第一講座, 助手 (10192105)
阿部 緑生 福島県立医科大学, 内科学第一講座, 助手 (00191859)
油井 徳雄 福島県立医科大学, 内科学第一講座, 助手 (60136976)
木村 秀夫 福島県立医科大学, 内科学第一講座, 助手 (00128547)
松田 信 福島県立医科大学, 内科学第一講座, 講師 (00117681)
佐藤 正 福島県立医科大学, 医学部, 助手 (20094245)
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研究概要 |
本年度は本研究の最終年度にあたるので, 研究成果報告書を作製した. 詳細は同報告書に詳しいが, 過去三年間にわたって研究した不応性貧血の造血能, 不応性貧血の造血幹細胞, 不応性貧血の染色体異常, モノクローナル抗体による不応性貧血の血球分化の検索, 不応性貧血の免疫異常, 不応性貧血の治療についてそれぞれ論文または報告書を作製した. 不応性貧血の造血能にかんして, トランスフエリンレセプターによる赤芽球の鉄の受け渡しを考慮したerythron transferrin uptakeで評価すると鉄のとりこみを正確に表現し, 不応性貧血ではuptakeが高値を示し, %利用率低値で無効造血の存在が確認され, Acta Hematologicaに投稿中である. また不応性貧血では6例の染色体異常があり, 付加的異常をもつものは予後が悪かった. 本症においては免疫異常を伴うものがあり, これらの症例を集積報告した. 不応性貧血における動態血液学的所見として, 細胞の増殖と分化の異常は緩慢ではあるが徐々に白血化へと向う. この異常はおそらくはリンパ球をふくむ全造血幹細胞におよんでおり, geneticであり腫瘍性変化と考えられる. 骨髄における細胞の増殖能は幹細胞in vitroコロニー法や^3Hチミジン標識法の研究から低下しているが世代交代時間の延長や成熟障害のためか骨髄は正形成, 過形成となっている. いずれもpremature deathをきたし無効造血の形をとる. 従って末梢では極度の汎血球減少を呈し, 易感染性, 出血などで生命が危険にさらされる. これらは非可逆的で治療に抵抗することがわかった. 以上が本研究の要約であるが, 成因, 治療など解決されるべき問題は多い.
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