研究概要 |
1.白血病細胞表面抗原の測定, 白血病細胞purgingの至適抗体濃度の検定におけるmicrocytotoxicity試験の応用:CIA, CB2, 141等のモノクロナール抗体をHLA測定用マイクロプレートの各wellに入れ, 検査対象の白血病細胞を加え, 家兎補体, ヒト補体を入れ細胞障害試験を行った. 本方法での成績は, フローサイトメトリー法での成績と良く相関し, またヒト補体価の検定および, 白血病細胞のin vitro purging操作での至適, 必要抗体濃度の検定に有用であった. 2.微小環境下のマウス凍結骨髄細胞の分化増殖に対するIsoproterenolの影響:in vitoでのisoproterenolの至適濃度は10^<-13>Molで, 凍結解凍骨髄細胞に同薬剤を加えた群は, 非添加群に比してCFUc, CFUs共に増加がみられた. 従って, 抗体処理, 凍結解凍操作を受けた自家骨髄細胞へのisoproterenol添加は有効と考えられた. 3.採株骨髄細胞の濃縮操作の確立:従来のフィコール・コンレイ法に代り, 血液成分採血操置(HM-V50)と, 赤血球沈降促進剤HESを併用し, 短時間に効率よく造血幹細胞を含む単核球成分の濃縮が可能になった. 4.自家骨髄移植のpreconditioning法の検討:ADM150mg, ACNU50mg/日×2日, Ara-C100mg/12時間毎×4日, BLM15mg, CY40mg/kg/日×3日よりなるAABC療法を確立した. また最近ではBusulfan大量投与およびCY併用のpreconditioning法も行いつつあり, TBI(total body irradiation)を使用しない移植法が成功することを確認した. 5.フローサイトメトリー法による移植後の免疫モニターリング解析および, 生着骨髄細胞BFUeからの赤血球抗原の解析法の確立:免疫担当細胞のtwo color解析と臨床成績を比較し, 拒絶およびGVHDの早期発見の指標とした. またBFUeの赤血球抗原を解析することより, 早期の生着の確認が容易になった.
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