研究概要 |
1.昭和60年度研究成果 (a)静脈用人工血管移植実験(コントロール実験群): ナイロン製およびダクロン製薄層人工血管を試作し, これを家兎下大静脈に移植したのを, 仮性内膜被覆状態および内腔開存状態を検討したところ, 3回目では約70%が閉塞していた. (b)腎由来ウロキナーゼ固定化: 担体にはナイロンおよびポリウレタンを用いこれに固定したところCM^2当り25〜35単位の線溶活性能を付与させることができた. 2.昭和61年度研究成果 (a)静脈用人工血管移植実験(線溶酵素投与実験群): 前回実験において, 人工血管移植後にウロキナーゼまたはヘパリンを静脈内投与しその開存状態を検討したところ, コントロール実験群に比し, 1〜3日の延長をみるのみで有意差を認めなかった. (b)腎由来ウロキナーゼ固定化ポリウレタンチューブ: 同チューブを試作し, これをTPN用静脈内留置カテーテルとして使用したところ, 従来のカテーテルに比し血栓形成は1/3〜1/4に低下した. 3.昭和62年度研究成果 (a)プラスミノゲンアクチベーター固定化: ウロキナーゼ固定化法にほぼ準じたプラスミノゲンアクチベーターを固定化し, 各種条件下においてその線溶活性を検討したところ, 保存, 消毒, 阻害剤, 動物実験において有意な活性維持および活性保持を示した. (b)今後の検査: 2本鎖プラスミノゲンアクチベーターを固定化したカテーテルを試作し臨床応用用に供したい.
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