研究課題/領域番号 |
60570622
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 浜松医科大学 |
研究代表者 |
戸倉 康之 浜松医大, 医学部, 講師 (80115493)
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研究分担者 |
遠藤 隆 浜松医科大学, 医学部, 医員
青木 克憲 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20124927)
小出 幸夫 浜松医科大学, 医学部, 助教授 (30126809)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 脾自家移植 / 再生と機能 / 脾重量 / 脾シンチ / リンパ球亜群同定(EPICS) / PFC測定 / GVHR |
研究概要 |
非担癌ラットにおける自家移植脾の再生と機能に関し本年度は以下の点につき検討した。対象:4〜6週令雄呑竜ラット183匹を用い対照(C群56匹)1/3脾温存(P群62匹)脾摘後1/3脾3分割大網内移植(F群65匹)の3群を作成。検討項目:(1)組識学的検討(HE染色,抗ラットリンパ球亜群モノクローナル抗体使用による免疫組識化学染色)(2)液性免疫能(PFCによる抗体産生細胞数測定)(3)細胞性免疫能(cytotoxic T cell活性測定,膝窩リンパ節肥大法によるGraft Versus Host Reaction,GVHR)。結果:P群の脾重量はC群と同様漸増したがその増加率は6ケ月でC172%に対しPは300%であった。この間脾構造液性免疫能はCと同じパターンを示した。EPICSではCが全経過helper T cell優位であるのに対し3ケ月目でnon helper T cell優位となり又B cellの比率が増加した。同時期GVHRはCに比し50%低下したが6ケ月目にはhelper T cell優位となりGVHRもCのレベルまで回復した。一方F群の脾重量は3ケ月で移植量の55%に減じ6ケ月で88%まで回復した。組識学的所見では1ケ月で腺構造は破壊され中心壊死及び濾胞の増生を認め3ケ月では大型脾細胞が増生し6ケ月ではほぼ正常構造に回復した。脾シンチでは1ケ月より陽性であったがPFCは0であった。しかし3ケ月ではCの1/3程度のPFCを認めた。EPICSでは3ケ月目でnon helper T cell優位となりB cell比率も増加した。又同時期GVHRはCに比し50%低下した。しかし6ケ月目にはPと同様helper T cell優位となりGVHRもCのレベルまで回復した。まとめ:移植脾は移植直後では感染防禦能をもたないが生着後は同機能を回復する。脾細胞増生過程では未熟リンパ球が導引され3ケ月目にはnon helper T cell優位となりB cellの比率が増加する。しかし6ケ月目には正常に近い構造と機能を示した。以上より移植脾が正常の免疫監視機構を獲得する可能性が示唆された。現在担癌ラットにおける自家移植脾の再生と機能につき検討中である。
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