研究課題/領域番号 |
60570626
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
消化器外科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小島 治 京府医大, 医学部, 助手 (30117882)
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研究分担者 |
山口 俊晴 京都府立医科大学, 助手 (90111327)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | スキルス胃癌 / 内分泌療法 / ホルモン依存性 / タモキシフェン / エストロジェンリセプター |
研究概要 |
スキルス胃癌に対する内分泌化学療法について、基礎的・臨床的に検討した。基礎的には、培養ヒト胃癌細胞及びヌードマウス可移植ヒト胃癌を用いて、内分泌療法の効果を検討した。タモキシフェン単独では、ヒト乳癌細胞ほど顕著な作用は認められなかった。タモキシフェンの濃度が【10^(-6)】Mでは、腫瘍増殖抑制効果を認めたが、【10^(-7)】〜【10^(-9)】Mと、タモキシフェンの濃度に依存して、増殖抑制は認められなかった。ヌードマウスの雄・雌間の、未分化癌の増殖曲線では、差が認められ、胃癌でもホルモン依存性がうかがわれた。現在は、ヌードマウスに、エストラジオール・テストステロンを更に加えて、実験中である。また、タモキシフェンに、プロジェステロン(MPA)を加えて投与中である。臨床的には、病理学的にスキルスと診断がついた胃癌の術後補助療法として、テガフール製剤と併用した。根治術後では、24ケ月目ではタモキシフェン投与例の方が、非投与例に比し、若干予後良好であったが、36ケ月目では予後に差がなかった。非根治術後では、12ケ月では死亡率は投与例の方が予後が若干良かったが、18ケ月ではほとんど差はなかった。癌組織内の【E_1】,【E_2】,【E_3】の局在と内分泌療法との予後改善について見たが、今回の検討では有意の差はなかった。癌組織内のホルモンの局在について、GreenのモノクロナールER抗体で検討中である。スキルス胃癌患者の性別間での、内分泌療法の効果をみたが、差はなかった。 以上の事より、いわゆるBorrman【IV】型のスキルス胃癌についてのみ、ホルモン療法の効果があるのかどうかを再検討したい。さらに、ホルモン療法として、タモキシフェンだけでなくMPAを加えた方がいいのではないかと考え、今後再検討する。
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