研究課題/領域番号 |
60570654
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
大神 正一郎 旭川医科大学, 脳神経外科, 助教授 (20108690)
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研究分担者 |
橋本 政明 旭川医科大学, 脳神経外科, 助手 (80133833)
代田 剛 旭川医科大学, 脳神経外科, 講師 (10041831)
田中 達也 旭川医科大学, 脳神経外科, 講師 (20108715)
米増 祐吉 旭川医科大学, 脳神経外科, 教授 (30038666)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1989年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 下垂体-視床下部 / β-エンドルフィン / CRF / 頑痛症 / 痛み / CRF |
研究概要 |
下垂体-視床下部系は、臨床的に除痛に関与しているが、その除痛メカニズムは不明である。我々は視床下部ホルモンの一つであるCorticotrophin relasing factor(CRF)の除痛機構における役割に注目し、ラットを用いて実験を行った。 1.無麻酔・無拘束下にラットの静脈内に薬液を注入したり、採血できる方法を使ってラットの静脈内にCRFを注入し、CRFがラットの痛みに及ぼす影響と、血中に分泌されたACTH(β-endと同一のprecursorから生ずる)濃度を測定し、血中ACTHと疼痛閾値との相関を検討した。さらに下垂体摘出ラットを作成し、その影響も検討した。その結果ACTHの血中濃度と疼痛閾値、下垂体摘出には相関がなく、CRF静注による急性実験ではCRFはラットの疼痛閾値に変化影響を与えなかった。 2.次に(1)浸透圧ミニポンプをラットの皮下に埋め込み、CRFを長期間持続投与して疼痛閾値を検討した。(2)CRF産生ニュ-ロンの存在する視床下部室傍核Paraventricular nucleus(以下PVN)にCRFを微量注入し、局所のCRFの増加が疼痛閾値に与える影響について検討した。この結果CRFの慢性投与もPVNへの微量投与も疼痛閾値に影響を与えなかった。 3.視床下部PVNは疼痛抑制に関与しているかどうか、morphineをPVNに微量注入して検討してみた。また下垂体摘出の影響も検討した。その結果PVN核は、微量のmorphineで著明な疼痛抑制を示し、少なくともPVNは疼痛抑制機構に深く関係していることが示された。従ってPVNにはopiate receptorを介しての抑制機構が存在することが判明したが、その系はCRFを介しての 視床下部-下垂体系の疼痛抑制機構とは異なることが示唆された。今後さらにこの点を明らかにする様な実験が必要であると考える。
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