研究概要 |
非脱分極性筋弛緩薬である0rgNC45は, 短時間作用性で, 心血管系に及ぼす影響も少なく, 排泄は主に肝臓に依存している点が特徴とされている. 現在, 同じく非脱分極性筋弛薬であるPancuronium bromicleが広く用いられているが, 今後は, 0rgNC45の用いられる機会が増加するものと思われる. 今回, 我々は, GO-enflurane麻酔下に, 0rgNC45の少量(0.05mg/kg)と大量(0.2mg/kg)の単回投与を行い, それぞれについて経済的に筋張力の変化を測定するとともに血漿中0rgNC45の濃度の測定を行った. 血漿中0rgNC45 濃度の測定は, 高速液体クロマトグラフィーにより, 解析は, two-compartment modelによった. その結果, 少量投与群と大量投与群の間に有意の差を認めた薬物動態学的パラメータは, elimination half-ifeとperipheral compartmentであった. なお両群とも, central compartmentは, ほぼ循環血液量と, disthbution volume at steadi stateは, ほぼ間質液量と一致した. elmination half, lifeで有意差が認められたことに関しては, 大量投与群においては, clearanceが大きい傾向にあり, 血液からの消失が増大した結果と思われた. ただ今回の実験では, 大量投与群において50分を経過した時点でもほとんど100%ブロックの状態であったため, 作用時間, 回復時間に及ぼす影響, つまり筋弛緩硬化との関連は, 評価できなかった. また少量投与群において, 各症例のパラメータと誘発張力の単収縮が25%, 50%に回復するのに要する時間との間に相関は, 認められなかった.
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