研究課題/領域番号 |
60570756
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
斉藤 雅人 京府医大, 医学部, 講師 (70106417)
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研究分担者 |
板倉 康啓 京都府立医科大学, 医学部(泌尿器科学教室), 助手 (50151452)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 前立腺肥大症 / 超音波メス / 前立腺切除術 |
研究概要 |
1.実験用前立腺切除超音波メスの試作。 前年度より設計ならびに制作にあたってきた実験用前立腺切除超音波メスを完成させた。この試作超音波メスは、既存の超音波メスと同様、周波数23KHzを用いた。ハンドピースは、先端の径が2.3mmで、全体の長さが199.4mmとした。 2.経会陰的超音波メス誘導装置の開発。 上記の超音波メスを経会陰的に前立腺に誘導する装置を、前年度より設計・制作を行い、今年度に完成させた。その方式は、経直腸的リニア電子走査装置を用いて、超音波メスを前立腺まで経会陰的に誘導するものである。 3.試作した実験用前立腺切除超音波メスによる、前立腺腺腫の破壊効果を検討した。前年度検討した既存の超音波メスと同様、出力60W以下ではほとんど破壊効果は得られなかったが、80Wおよび100Wでは十分な破壊効果が得られた。たとえば、出力80Wでは平均0.3grの前立腺腺腫が破壊吸引されるので、前立腺肥大症の治療は十分可能と思われた。 4.前立腺切除における出血量の検討。 超音波メスによる前立腺切除の出血量について、雑種成犬を用いた開放創の実験にて検討したところ、出力が80Wから100Wへと出力が増すほど出血量は増加したが、いずれも問題となるほどではなく、ごくわずかであった。 5.安全性に関する検討。 前立腺肥大症においては、前立腺の腺腫だけを摘除して、その外科的被膜は残存させるわけであるが、腺腫と外科的被膜の強度を引張り試験により調べたところ、腺腫は引張り強度が5.1±2.0kg/【cm^2】で弾性率が9.5±3.8kg/【cm^2】で、外科的被膜はそれぞれ14.9±8.8,12.7±5.3と強度に著しい差が認められた。したがって超音波メスの出力を調節することによって、腺腫だけを破壊して被膜は温存することが可能であると思われた。
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