研究課題/領域番号 |
60570758
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
馬場 志郎 (1986) 慶応大, 医学部, 講師 (00051889)
丸茂 健 (1985) 慶応義塾大学, 医学部, 助手
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研究分担者 |
大橋 正和 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50169041)
上野 宗久 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (60167286)
丸茂 健 慶應義塾大学, 医学部, 非常勤講師 (80138130)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | インターロイキン2 / 泌尿器系悪性腫瘍 / 腎細胞癌 / 免疫療法 |
研究概要 |
腎癌細胞に対する遺伝子組換えヒトインターロイキン2(IL-2)とインターフェロンγ(IFN-γ)のリンパ球細胞障害能に与える影響をヒト腎癌細胞株KU-2,CaKi1,新鮮ヒト腎癌細胞を標的細胞としてin vitroで比較検討した。健康成人の末梢血リンパ球を種々の濃度のIL-2又はIFN-γと培養したのち4時間【^(51)Cr】放出試験により細胞障害能を測定した結果、IL-2はIFN-γに比較して有意に高い増強作用を示した。IL-2による増強作用は濃度と培養時間に依存した。IL-2の至適濃度は100または500単位/mlと考えられたが4単位/mlという低い濃度においても有意な細胞障害能増強を示した。さらにIL-2とIFN-γは相乗効果を有することを示された。得られた結果からIL-2の患者への全身投与が、IFN治療に抵抗性の腎細胞癌に有効であることが示唆され、投与法としてIL-2の患者血中濃度を高く維持するために持続投与または大量頻回投与が必要と考えられた。この結果をもとに7例の進行腎細胞癌患者に1×【10^6】単位のIL-2を連日点滴投与したところ、1例に著明な腫瘍の縮小を認め、一方、治療中に腫瘍の進行を認めたのは1例のみであった。IL-2による治療中,患者のnatural killer(NK)活性およびlymphokine-activated killer(LAK)活性の上昇をほぼ全例に認め、用いた投与法が適していることが示された。なおIL-2による重篤な副作用は認められず、IL-2が腎細胞癌の治療に有効な薬剤となる可能性が示唆された。今後さらに症例を重ねること、他の泌尿器系悪性腫瘍の中で従来の治療法に抵抗性の腫瘍について検討を行なうこと、および、IFNを含めた他の薬剤との協調作用を検討することが、泌尿器系悪性腫瘍の治療成績を向上させるために重要と考える。
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