研究課題/領域番号 |
60570769
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 埼玉医科大学 (1986) 東京大学 (1985) |
研究代表者 |
佐藤 和雄 埼玉医大, 医学部, 教授 (80010180)
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研究分担者 |
馬場 一憲 埼玉医大総合医療センター, 産婦人科, 助手 (30181035)
小島 俊行 埼玉医大総合医療センター, 産婦人科, 講師 (90153535)
竹田 省 埼玉医大総合医療センター, 産婦人科, 講師 (20143456)
木下 勝之 埼玉医大総合医療センター, 産婦人科, 助教授 (80010354)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 妊娠中毒症 / 【Na^+】-【K^+】ATPase / Na利尿因子 / PG【I_2】 / 血圧 |
研究概要 |
妊娠中毒症の高血圧発症について血管の昇圧物質に対する感受性の上昇が近年注目されている。本態性高血圧の病因としてNaの体内貯留が挙げられ、その昇圧機構にNa利尿因子が関係している。本来それは貯留Naの排泄のために働き、その作用は細胞膜に存在する【Na^+】-【K^+】ATPaseの活性を阻害することにあり、その結果腎からの【Na^+】排泄が促進される。しかし他方血管壁筋細胞のATPaseも阻害されるため細胞内に【Na^+】が貯留し、さらに【Na^+】-【Ca^(++)】交換現象が起きて細胞内の【Ca^(++)】濃度が上り、昇圧物質に対する感受性が上昇すると考えられている。妊娠時はNa貯留が起りやすい状態にあり、そのためNa利尿因子の増加が起り、それが妊娠中毒症発症の一因となりうる。我々はHamlynらの方法を用い、正常と妊娠中毒症妊婦の血中【Na^+】-【K^+】ATPase阻害因子活性を測定した。その結果母体血中の同因子活性は妊娠中毒症妊娠では正常妊婦に比し有意に(P<0.05)亢進していた。同阻害因子活性と平均血圧の間には有意に(P<0.05)負の相関が得られた。臍帯動脈血中には臍帯静脈血中より同阻害因子活性が亢進している傾向があり、胎盤での同阻害因子の産生が示唆された。PG【I_2】は血管平滑筋の弛緩作用をもち降圧因子として働き、そのため血管内皮細胞での産生低下は昇圧物質の作用を増強させ血圧を上昇させることになる。妊娠中毒症の血管内皮細胞でのPG【I_2】産生能を検討し、軽度中毒症では代償的にPG【I_2】の産生が上昇して昇圧機構に対するnegative feed-backが働きhomeostasisを保とうとするが、重症中毒症ではPG【I_2】の産生がむしろ低下してさらに高血圧が悪化することを明らかにした。
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