研究分担者 |
伊藤 仁彦 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (50168340)
末岡 浩 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手 (90162833)
名取 道也 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 講師 (80101913)
多田隈 卓史 (多田隅 卓史) 慶應義塾大学, 医学部・微生物学教室, 助教授 (30051626)
宮崎 豊彦 慶應義塾大学, 医学部・産婦人科学教室, 助手
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研究概要 |
Early Pregnancy Factor(EPF)は, 受精後最も早く出現するタンパクとしてMorton H.らによって1974年に報告され, てその後生化学的, 免疫学的なアプローチがなされているが, 未だその本体は不明な点が多い. 今回我々は, EPFのassay系の改善, 精製, 生化学的特性, 免疫学的特性について以下の知見を得た. 1.従来行われていたEPF活性の検出法は, 大量のヒトリンパ球および検体を必要とし, しかも安定性および再現性に問題があったが, 我々は, リンパ球数と検体量を従来の1/5に減少し, U底のマイクロプレートを使用することにより, 少量のリンパ球と検体でより安定性のある測定系を確立した. 2.Crude hCGをゲル濾過カラム(Sepadex G75 superfine)にかけ, EPF活性分画が40KDにあり, これがhCG活性分画と重複することを確認した. このEPF活性分画をDEAEセルロースカラム(DE52)Nacgradient(0-1.0M)で分析すると, 第2分画にEPF活性を認め, hCG分画とある程度分離できた. さらに, Fast Protein Liquid Chromatography(FPLC)で分析した. 陰イオン交換(MonoQ)・陽イオン交換(MonoS)では複数のEPF活性を示すピークが得られた. クロマトフォーカシングを用いて等電点を測定すると, EPF活性が検出されたのはP15.5-6.5の3ピークで, 最強分画の等電点は6.5であった. 3.Crude hCGよりクロマトグラフィー法によって分画したEPF活性分画は, クローンT細胞増殖反応, MLR, 抗羊赤血球抗体産生に関して, 抑制効果を示めさなかった. 4.現在, EPFの精製材料として妊婦尿からの抽出物質を利用することに成功し量的問題が解決されたことにより, 今後の精製過程に期待がもたれる.
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