研究課題/領域番号 |
60570799
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
伊藤 治英 慈恵医大, 医学部, 助教授 (30056585)
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研究分担者 |
大曽根 享 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助手 (50142477)
小室 順義 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (20110918)
田中 忠夫 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (50110929)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | 胎盤絨毛 / エラスチン / 構造特性 / 組織化学 / 異常妊娠 / 絨毛動脈 |
研究概要 |
胎盤絨毛血管は胎児の発育に不可欠な存在であるが、その形成や組織構築の特性については、なお、不明な点が多い。そこで妊娠各時期の胎盤組織について血管形態因子別に観察すると共に種々の組織化学的方法で定量的に絨毛血管の構築の特性を明らかにすることを目的とした。また、これらが妊娠中毒や糖尿病合併などの母体環境変化、あるいは胎児異常とどのように相関するかについて検討を加えた。1.研究方法:研究材料は生理的な発育を示す妊娠14週より妊娠40週に至る胎盤の絨毛幹動脈である。これらはすべて10%中性ホルマリンで固定し、一部の例についてはグルタールアルデヒドおよびオスミウム酸による二重固定を行い、組織化学的検索並びに電顕的検索に供した。組織化学的検索方法:平滑筋細胞にはAzocarmin染色、エラスチンにはWeigert染色、コラーゲンにはVan Gieson染色、酸性ムコ多糖類にはAlican Blue染色、糖蛋白にはPAS染色、細胞核にはSchiff染色を行った。これらにつき1検体当り平均20カウントスキャンニングをMMSPによって特性波長で吸光度で測定し、吸光度をコンピューター処理後、X-Yプロッターで分析した。2.研究成績:(1)平滑筋細胞:正常妊娠14週時では平均20%Eで、妊娠が進むにつれて増量し続けた。一方、中毒症胎盤では平滑筋細胞の異常増生がみられ、正常例に比べて明らかな変値を示した。(2)エラスチン:正常妊娠14週では平均3.6%Eで、その後も増量を続けた。一方、中毒症でも正常例と大差は認められなかった。(3)コラーゲン:正常妊娠14週では僅か13%Eに過ぎないが、妊娠末期では60%Eに達した。一方、中毒症例では正常例を大幅に上まわって増加していた。(4)酸性ムコ多糖類:正常例に比し、中毒症例は増加していた。〔まとめ〕中毒症胎盤動脈は正常胎盤絨毛動脈の加齢の域をこえて、動脈硬化に至っていることが判明した。
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