研究分担者 |
東野 哲也 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (80145424)
宮永 敏 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (60200193)
柊山 幹子 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60170114)
森満 保 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (40038675)
安達 裕一郎 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (70167922)
牧野 浩二 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (00145434)
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研究概要 |
メニエール病等の疾患では内耳圧の変動により聴覚機能が変化していると考えられるが, その本態は不明である. そこで聴覚機能に及ぼす内耳圧の影響に関しての実験的研究を行った. 実験動物にはモルモットを用いた. これに種々の負荷を行い, 内耳圧(内リンパ圧), 内リンパ静止電位(EP), 血圧等を, マイクロプレッシャーシステム等を用い観察記録した. 外リンパ圧を変化させると, 内リンパ圧はほぼ外リンパ圧と同じ値を示しながら変動した. NaClの結晶を蝸牛窓膜に投与すると, 内リンパ圧は除々に低下し10〜15分後に最低となりその後除々に回復し投与前の値に戻った. 一方, EPはNaCl投与後除々に減少し60分後には平均25.4mVとなった. イソソルビドを静脈内に投与すると, 内リンパ圧は投与中からその直後にかけて短い一過性の上昇を示した後, 除々に低下していき投与後10分程度で最低となり, その後ゆっくりとした回復傾向を示した. EPは大きな変動は示さなかった. 血圧は投与後数分間の一過性の低下の後すぐに回復した. グリセロールを静脈内に投与すると, 内リンパ圧は投与中からその直後にかけて短い一過性の上昇を示した後, 除々に低下していき投与後30分程度で最低となり, その後ゆっくりとした回復傾向を示した. EPは大きな変動は示さなかった. 血圧は投与後数分間の一過性の低下の後すぐに回復した. 強大純音負荷中の内リンパ圧は有意の変化を示さなかった. 強大純音を負荷した約1ヶ月後の内リンパ圧およびEPは正常とほぼ同じであった. 以上の如く, 種々の負荷条件により, 内耳圧および聴覚機能の影響が様々であることが判明し, 内耳圧の変動が聴覚機能に何らかの影響を及ぼして可能性があると考えられた.
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