研究課題/領域番号 |
60570842
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
眼科学
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研究機関 | 東京女子医科大学 |
研究代表者 |
亀山 和子 東京女医大, 医学部, 助教授 (70096577)
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研究分担者 |
木戸口 裕 東京女子医大, 眼科, 助手 (30204936)
大井 いく子 東京女子医大, 眼科, 講師 (90130236)
福田 敏雅 東京女子医大糖尿病センター, 眼科, 講師
FUKUDA Toshimasa Tokyo Women's Medical College
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 増殖性糖尿病性網膜症 / 蛍光眼底撮影 / 網膜血管床閉塞 / Hb【A_1】値 / トロンボキサン【A_2】 / トロンボキサン【B_2】 / プロスタサイクリン / 6-ケトプロスタグランディン |
研究概要 |
糖尿病性網膜症(以下網膜症)が増殖型へと進展する基盤として網膜血管床の閉塞が考えられる。この原因となる血栓形成に関与するものとして血小板で生合成されるトロンボキサン【A_2】(TX【A_2】)および血管内皮で生合成され、TX【A_2】と拮抗する物質であるプロスタサイクリン(PG【I_2】)を測定し、網膜症のStageおよび蛍光眼底撮影(FAG)による網膜血管床の閉塞の広さとの関係を検討した。更に血糖コントロールと両者との関係を検討した。 TX【A_2】およびPG【I_2】の測定には、その安定代謝産物であるトロンボキサン【B_2】(TX【B_2】)および6ケトプロスタグランディン(6KetoPG【F_(1α)】)を測定した。 結果:1)TX【B_2】が高値を示すものでは6-KetoPG【F_(1α)】も高値を示し、両者は相関々係を示した。2)血糖コントロールの指標としてHb【A_1】値との関係をみたがTX【B_2】,6-KetoPG【F_(1α)】ともにHb【A_1】値と相関々係を示した。 3)網膜症が活動性を示すものではTX【B_2】値は高値を示した。しかし6-KetoPG【F_(1α)】はTX【B_2】値ほどは網膜症のStageと関連性を示さなかったが、網膜症がつよい活動性を生ずる前にのみ高値を示していたことから、TX【A_2】の上昇にともないPG【I_2】も代償的に上昇するが代償不全におちいりPG【I_2】が低下することによりTX【A_2】が優位になった時に網膜症が活動性をもってくることが推測された。 4)網膜血管床の閉塞域との関係をみると、最も広汎な閉塞域を示す例,あるいはRPC領域に閉塞をみとめる例でTX【B_2】は有意に高値を示した。しかし6-KetoPG【F_(1α)】は血管床の閉塞域とは関連を示さなかった。 以上の結果よりHb【A_1】値が高く、TX【A_2】値が高値を示すものは増殖性網膜症へと進行増悪する傾向がみられる。したがって早期に光凝固等による治療が必要であることがわかった。
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