研究課題/領域番号 |
60570869
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
大谷 啓一 (1986) 医科歯科大, 歯学部, 助教授 (10126211)
俣木 志郎 (1985) 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師
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研究分担者 |
春日井 昇平 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70161049)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | エナメル芽細胞 / エナメル / 微小管 / microtubules / Ca輸送 / 鉄分泌 |
研究概要 |
本年度は研究課題の最終年度であるため限られた時間内で最大限の成果が得られるように焦点を絞り込んだ実験を行った。 1.Ca輸送機構における微小管の役割:前年度の研究成果により、コルヒチンなどの微小管阻害薬によりラットエナメル質表層の性状が変化し、Ca特異性を有するGBHA染色性やテトラサイクリン,カルセインなどの螢光ラベリング剤に対する反応性が変化することが明らかとなった。そこでこのような変化がCa輸送の変化を真に再現するものなのか否かを調べる目的で【^(45)Ca】を用いたオートラジオグラフィーをエナメル質表層に作製した。【^(45)Ca】はラットに投与後、直ちにエナメル質表層に数本のライン状のバンドとして出現してくる。コルヒチンを投与すると、このようなライン状に見える【^(45)Ca】のバンドは乱れて明確なライン状に観察されなくなった。この結果は、GBHAやカルセイン,テトラサイクリンなどを用いた結果とほぼ一致するものである。以上の実験結果はエナメル芽細胞に存在する微小管がコルヒチンにより阻害され、エナメル質表層へのCa輸送が阻害されたためと考えられる。 2.エナメル芽細胞内のフェリチンの分布に関する免疫組織学研究:家兎を用いてフェリチンに対するポリクロナール抗体を作成した。得られた抗血清はIgGのアフェンティークロマトグラフィーにて精製した。ラット切歯の凍結切片上に上記の抗体による間接酵素抗体法を行い、フェリチンの検出を行ったところ、成熟期エナメル芽細胞内と乳頭層細胞に陽性反応物質が存在した。したがって、成熟期エナメル芽細胞に鉄結合性タンパクであるフェリチンを介した鉄輸送系が存在することが示された。 以上のような研究成果より、エナメル芽細胞におけるCaあるいは鉄輸送系に微少管が重要な機能を果たしていることが明らかとなった。
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