研究課題/領域番号 |
60570879
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能系基礎歯科学
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研究機関 | 東京歯科大学 |
研究代表者 |
内藤 祐子 東京歯大, 歯学部, 助手 (00147258)
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研究分担者 |
小野 美千代 東京歯科大学, 微生物, 助手 (60167327)
加藤 哲男 東京歯科大学, 微生物, 助手 (00159253)
奥田 克爾 東京歯科大学, 微生物, 助教授 (40085741)
ONO Michiyo Department of Microbiology, Tokyo Dental College (40112669)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 成人性歯周炎 / Bacteroides gingivalis / LPS / 莢膜 / hemagglutinin / 単クローン抗体 / 診断 / IgG抗体 |
研究概要 |
成人性歯周炎の病巣では、嫌気性グラム陰性菌群とスピロヘータが増加してくる。なかでもBacteroides gingivalisは、深い歯周ポケット内で優勢となっている。宿主は、一方的にB.gingivalisの歯周局所での増殖を許す訳でなく、本菌に対する抗体を産生し、防御作用を示すと考えられる。本研究では、B.gingivalisに対する単クローン抗体を作制し、その特異性および生物活性について種々検討を加えた。 作製した単クローン抗体は、B.gingivalis菌種に特異的なことから、歯周病局所における本菌種の動態をとらえるための武器になることがわかった。得られた単クローン抗体は、本菌の莢膜抗原、LPSおよび付着因子(hemagglutinin)に対するものであることを免疫化学的に明らかにした。次にこれらの単クローン抗体を利用して、成人性歯周炎患者の血清中に本菌のどのような抗原に対する特異抗体があるかImmunoblot法を用いて調べた。多くの患者血清中には、本菌のhemaglutininに対する特異抗体をもつことを見い出した。また進行した歯周炎患者血清中には、本菌LPSに対する特異抗体をもつことを実証した。健康者の血清中には、本菌の表層抗原に対する特異抗体は、検出することができなかった。これらの所見から、歯周炎患者はB.gingivalisに感染すると的確に免疫応答が生じていることがわかる。 作製した単クローン抗体を用いて、B.gingivalisの病原因子についてもその解析を行った。本菌のhemagglutininに対する単クローン抗体は、本菌と他のデンタルプラーク構成菌の共凝集を特異的に阻害した。またこの単クローン抗体は、本菌の赤血球凝集作用もある程度抑えることがわかった。しかし、個々の単クローン抗体および組み合せたものは、白血球の食菌・殺菌作用の亢進や補体媒介性殺菌能の亢進作用は見い出せなかった。
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