研究課題/領域番号 |
60570906
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
補綴理工系歯学
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研究機関 | 東北歯科大学 |
研究代表者 |
野口 八九重 東北歯大, 歯学部, 教授 (80083434)
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研究分担者 |
中村 かおり 東北歯科大学, 歯学部歯科理工学講座, 助手 (40164280)
山本 秀 東北歯科大学, 歯学部歯科補綴学第一講座, 講師 (30137658)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | レジン接着材 / 被着材の物性 / 接着強さ / 耐久性 / サーマルサイクリング / 人歯 / 牛歯 |
研究概要 |
9.研究成果の概要(最終まとめ) 最近のレジン系の歯科用接着材の歯や修復物に対する接着強さには非常に優れたものがあるが、臨床使用に際しては、接着初期の強さは持続されず、経時的に低下するとの欠陥が指摘されている。 本研究では、その原因ないしは試験方法について4つの実験を行ない、次のような結論を得た。 1)接着強さの耐久性に関するサーマルサイクル条件の設定:口腔内の環境、ならびに試験設備の不偏性の面から検討し、5℃と60℃の冷・温水中にそれぞれ30秒間ずつ試料を浸漬、1日1000回のくりかえし試験を行うことを標準条件とする。また、レジン系のセメントの接着強さは日腔内温度に近い37℃水中で試験された値であることが望まれる。 2)被着材とセメントの熱膨張係数差の影響:サーマルサイクルが与えられると被着材とセメント間の熱膨張係数差は、セメントにひずみを生じさせ、接着界面に剥離を生ずるものと推測したが、その影響は認められなかった。すなわち、この程度のひずみ量はレジン系のセメント自体の弾性限内に留まるところからこれが吸収されてしまうことによっている。 3)被着材の剛性が接着強さに及ぼす影響:被着材が変形するとセメントの局所に応力集中を生じ、破壊しやすくなることについて調べ、この結果は金属に対しては大きく影響することが認められた歯への影響は少なかった。なお、人歯と牛歯に対する接着強さに差は認められなかった。 4)口腔内における接着強さの測定:歯科材料の評価は、実際の口腔内での成績によってなされるべきである。そこで、特殊な小型試験片を口腔内でエナメル質に接着し、その接着強さをせん断、ならびに引張りによって測定したが、従来、我々が口腔内における試験で求めた値と大差はなかった。しかし、口腔内での試験は、操作性の影響が大きく表れる傾向にあった。 この研究は、さらに口腔内での長期実験を行い、より確実性の高い接着効果についての検討がなされるべき必要性が残されている。
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