研究概要 |
本研究は当初の研究計画に基きそれぞれ実験を行ない、得られた知見を昭和60年度日本補綴歯科学会関東支部学術大会および第74回日本補綴歯科学会学術大会において発表した。これらの要旨を以下に示す。 1.レジンパターンによる鋳造鉤の製作に関する実験的研究ー第1報 片持はりにおける永久変形量について、第2報 レスト付二腕鉤における永久変形量について (1)永久変形量は試料の抽出時間による影響が大きく、8分が最大であった。(2)アンダーカット量による影響は、その量が大きくなるほど永久変形量も大きくなる傾向を示した。(3)二腕鉤における変化量は抽出および形態修正時に約0〜40μmの収縮傾向を,埋没鋳造操作により約10〜40μmの拡大傾向を示し、最終的な変化量は約0〜20μmの拡大傾向を示した。(4)鋳造体を金型上に戻し適合状態の観察を行った結果、ほとんどの試料は良好な適合状態を示した。 2.レジンパターンの分離材に関する実験的研究ー分離効果および表面あらさに及ぼす影響について (1)分離効果はワセリンが最も大きかった。(2)レジン別では,パターンレジン,デュラレイ,パラビットGの順に分離が良好であった。 これらのことから,パターン用レジンを使用してクラスプを製作する直接法は,従来の間接法に比較し,精度,操作性などいずれも劣らず,臨床上有効な補綴法であることが判明した。 本年度はこれらの実験および実験結果を検討し、学会誌に投稿するための準備を行った。すでに第1報である「片持はりにおける永久変形量について の論文は執筆を完了しており、日本補綴歯科学会雑誌に投稿の予定である。また、残る二演題についても現在執筆中であり、続いて投稿の予定である。
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