| 研究分担者 |
和田 知雄 東京歯科大学, 歯学部(内科), 教授 (90085720)
水野 嘉夫 東京歯科大学, 歯学部(内科), 教授 (40051750)
佐野 浩 東京歯科大学, 歯学部(オーラルメディシン講座), 助手 (50147261)
山崎 博嗣 東京歯科大学, 歯学部(オーラルメディシン講座), 講師 (60085909)
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| 研究概要 |
口腔内観血処置時における自律神経機能を背景とした末梢循環動態の変化を非侵襲, 非観血的に計測可能な心電図, 血圧, 指尖および耳朶容積脈波, 呼吸, 皮膚電気反射(GSR), マイクロバイブレーション(MV)に加え超音波ドップラー血流計を用いて検討した. 前年度までに探触子固定装置を開発して基礎的研究を行った. 超音波ドップラー血流波の分析は, 超音波ビームと血管との角度依存性があるため血流速度の相対的な変化として比較した. 加圧試験により末梢血流が遮断された時点では,指尖容積脈波波高と超音波ドップラー血流波の消失が認められた. 寒冷刺激試験では, 指尖容積脈波波高の低下と橈骨動脈血流波Dの著明な低下を示し, これは末梢血管の収縮した所見であると考えられた. 臨床的応用として局所麻酔下に歯科処置を施行した場合の変化様式について考究した. 対象症例は高齢者群としての高血圧症合併群と若年者群としての非高血圧症群に分けて比較検討した. 全経過を処置直前, 麻酔中, 処置中, 処置直後, 処置後10分の5時点に区分し, 処置直前値を基準とした変化率で表現した. 血流波形は橈骨動脈では収縮期波S_1および拡張初期波D, 外頸動脈ではS_1および拡張末期波dを計測し, 同時記録している容積脈波波高の変化と対比させて検討した. 麻酔中, 処置中の時点に血圧および分時心拍数の増加した症例においては, 指尖容積脈波波高の低下に伴い橈骨動脈血流波Dの減少がみられた. これは交感神経緊張が亢進して末梢血管が収縮した所見であると考えた. 処置後の時点には血圧, 分時心拍数は処置直前値に復し, 指尖容積脈波波高, 橈骨動脈血流波Dの増大する傾向がみられた. これは交感神経緊張が解けて末梢血管の拡張した所見であると考えた. 橈骨動脈血流波の方が外頸動脈血流波よりも処置に伴う変化量は多かった. 外頸動脈血流波は個々の症例によりばらつきが多かった.
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