研究概要 |
1.これまでにわれわれは、TCA回路の中間代謝物質であるsuccinate-1、4-【^(14)C】をヒト末梢血リンパ球に添加培養して、これがPWM刺激直後の激しい細胞内代謝変化の中で盛んに取り込まれ、免疫グロブリン産生系にも入って行くことを認めてきたので、今回その量的検討を行った。最高のIg産生をみたT,B細胞等量混合の培養上清中に産生されたIg(IgG+IgA+IgM)に含まれる【^(14)C】は、培養上清中の高分子成分に含まれる【^(14)C】の5・6名であり、最初に添加した量の0.02%であった。さらにdosedepencloncyを検討することにより効率上昇も考えられ、succinate代謝系を抗体合成や病勢の把握に応用出来る可能性が考えられる。 2.悪性腫瘍には、化学療法,放射線療法,免疫療法,外科療法などが行われており、前三者についてはimmunopanameterの変動などの報告が多々ある。しかし、治療の大きなウェイトを占る、全身麻酔を必要とする外科療法との関連については軽視されがちである。手術および全身麻酔の侵襲によって一過性に細胞性免疫が抑制されると云われており、腫瘍の転移増殖などの重要な問題を含んでいる。今回まず健常人(非担癌患者)において、全身麻酔(GOF)が末梢血リンパ球サブセットに与える影響についてCD-3,CD-4,CD-8,CD-20のモノクローナル抗体を用いてフローサイトメトリー法にて検討した。結果;麻酔導入後1時間でCD-8の上昇,一方CD-3,CD-4,CD-20,CD-4/CD-8比の低下をみた。すなわちsuppressor/cytotoxic T cellの上昇,helper/inducer T cell,P or B cellの低下が認められた。しかし術後1時間ほどでかなりのレベルまで回復した。この詳細は第41回日本口腔科学会総会にて発表与定(S.62年4月5日・6日)。
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