研究概要 |
aryl又vinyl halideと低原子価の金属から合成されるaryl又はvinylmetal錯体に対するCO挿入反応によるラクタム,ラクトン類の合成は既に我々によって報告されているが、本反応を利用しbenzodiazepine類が容易に合成出来る事を見出した。即ち0-ハロアニリン誘導体とアミノ酸誘導体をCO気流下でPdを触媒とし反応させると、一段階でbenzodiazepine骨格が合成される。本合成法はScheme1に示される如く二つのルートによって開発された。この時アミノ酸としてプロリンを用いるとpyrrolo-1,4-benzodiazepine誘導体が容易に得られる。天然にはpyrrolo-1,4-benzodiazepine骨格を有する一群の抗生物質が知られているが、それらの多くは抗腫瘍性活性を有する事から注目を集めている。既に我々はanthramycinの形式合成SEN-215の合成に付き報告しているが、本研究に於て、Tomaymycin Neothramycinの全合成に成功した。又その過程で、従来その構造の決定されていなかった。Prothracarcin,SEN-215の構造を合成的に決定した。更にNeothamycinの全合成の過程で、新しいquinazoline骨格の合成法を見出し、天然物であるvasicinone,rutecarpineの合成へと応用する事が出来た。
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