研究課題/領域番号 |
60571011
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
化学系薬学
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研究機関 | 理化学研究所 |
研究代表者 |
大塚 晏央 理化学研究所, 有機合成化学研究室, 研究員 (40087523)
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研究分担者 |
福井 峰夫 理化学研究所, 有機合成化学研究室, 研究員 (70109792)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1988年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | タキシン系化合物 / 8員環 / 分子内閉環 / 12員環ラクタムスルホキシド / 分子力学計算 / 立体配置 / 配座異性体 / irone / X線結晶構造解析 / 熱力学的安定性 / 分子模型 / 分子力学 / 中環状ケトン合成法 / 2,6,6-トリメチル-5-ホルミル-1-シクロヘキセンカルボン酸エステル |
研究概要 |
本研究は、タキシン系化合物合成の鍵反応である8員環形成反応に、独自に開発した大環状ラクタムスルホキシドの分子内閉環反応を基盤とする中環状ケトン合成法を用いることに特長がある。まず、Diels-Alder反応を用いてA環部形成の後、12員環ラクタムスルホキシドを合成し、C_3ーC_8結合部で8員環閉環させC_8位(タキシン構造の)にメチル基、C_3にケトンをもつ8員環ケトンを合成した。このケトンのC_8位を立体選択的にアリル化後C環を構築し、C_<12>ーC_<13>位に二重結合をもつタキシン系化合物を合成することに成功した。しかし、C_3位の立体配置が天然物と逆のβ(B/Cシス)配置であることがX線結晶解析により判明したため、C_8位のメチル基を他の官能基に代えてC_3位の異性化を試みたが不成功に終わった。一方、種々のタキシン系化合物の熱力学安定性を分子力学計算で検討した結果、A環二重結合を天然物と同じC_<11>ーC_<12>位に入れておくとB/Cトランス配置になることが予想された。そこで、上記と同様の手法でタキシン系化合物を合成することにし、まずC_<11>ーC_<12>位に二重結合をもつ6員環A環部の簡易合成法を開発した。これを用いて8員環ケトンの前駆体、12員環ラクタムスルフィド形成反応を行なったところ、2種の生成物が得られた。主成績体(収率40〜50%)は望む12員環ラクタムスルフィドと同じ立体配置を持つが、8員環ケトンを作り得ないユニークなC_1位に関する立体配座異性体であることが伴った。副成績体(収率4〜3%)からはC_8位にメチル基をもつタキシン型8員環ケトンを合成することができた。光学活性タキシン系化合物合成のため、C_<12>ーC_<13>位に二重結合をもつ6員環A環部を合成し、その絶対配置の決定を兼ね、(+)ー及び(-)ーironeの立体選択的合成に成功した。現在、望む12員環ラクタムスルフィドの選択的合成法の開発と、タキシン系化合物の合成について検討を重ねている。
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