研究課題/領域番号 |
60571022
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 岐阜薬科大学 |
研究代表者 |
半田 哲郎 岐薬大, 薬学部, 講師 (00025719)
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研究分担者 |
竹内 洋文 岐阜薬科大学, 薬学部, 助手 (50171616)
川島 嘉明 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (30082978)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
1985年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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キーワード | リポソームの凍結乾燥 / リポソームの粒径調整 / リポソームの流動性 / 改逆相蒸発法 / リポソームの凍結融解 / 蛋白のリポソームへの内包 |
研究概要 |
リポソームはdrug deliverly systemとして有望視されているが、その物理化学的安定化が製剤としての実用化に必要である。本研究は、これらの安定性改善のため、リポソームの凍結乾燥と粒径調整について研究した。 1.リポソーム調製法として、逆相蒸発法を改良した改逆相蒸発法を開発した。改逆相蒸発法リポソームは凍結乾燥した後も、水溶性の化合物をよく内包することがわかった。また、リポソームの粒径も凍結乾燥操作によってはほとんど変化しないこともわかった。これらの結果は普通の逆相蒸発法と著しい対照をなす。後者の場合、凍結乾燥操作により内包物のもれや凝集融合によるリポソームの巨大化が観察された。改逆相法では凍結の際にリポソーム膜中に残存する微量のエーテルが膜の流動性を高めており、これが凝集や融合やもれを防ぐのに重要な役割を果していると考えられた。 2.0.6μmの均一の孔を有するポリカルボネートフィルターにより、大きな多重膜リポソーム(LMLV)の再構成(粒径調製)をおこなった。フィルターの過圧は最大1気圧とした。レシチンリポソームは膜が液晶状態にあれば効果的に粒径調整がなされた。レシチン混合物でも膜の一部が液晶状態にあれば粒径調整が可能であった。コレステロールをゲル状態のレシチンリポソームに添加すると粒径調整がされやすくなった。一方、液晶状態のレシチン膜にコレステロールが添加されると、フィルターによる粒径の調整は困難になることもわかった。親水性の色素や蛋白を内包したLMLVを凍結-解凍法により調製し、その粒径をフィルターにより調整した。このとき、低分子,高分子にかかわらず、内包物のもれはほとんど観察されなかった。これらの結果より、ポリカルボネートフィルターによるLMLVの粒径調整では、膜の液晶部分が引き裂かれながら小さい(0.6μm)リポソームに構成されなおされる(再構成)機構が考えられた。
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