研究課題/領域番号 |
60571023
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物理系薬学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
四ツ柳 智久 名古屋市大, 薬学部, 助教授 (40080189)
四ッ柳 智久 (1986) 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授
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研究分担者 |
太田 直子 名古屋市立大学, 薬学部, 助手 (50117818)
池田 憲 名古屋市立大学, 薬学部, 教授 (50080164)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | リポゾーム / 超音波照射 / 胆汁酸 / 凍結ー解凍 / 二分子膜損傷 / コレステロール / 濁度 |
研究概要 |
リポゾームをドラッグデリバリーシステムとして製剤学的に確立するためには、粒子分散系の物理的、化学的ストレスに対する安全性および薬物の色含効率が最も重要な要素である。保存方法のひとつとして凍結-解凍法が考えられるが、凍結前の分散系の物理化学的性質と凍結-解凍後の性質は深くかかわっている。エッグレシチンは中性であるが、共存する食塩の増加と共に凝集した。凝集を起す限界濃度は0.15%であった。この結果は中性リポゾームであっても、特に凍結乾燥リポゾームの再構成時の粒度に影響を与える。超音波照射(物理的ストレス)および胆汁酸(化学的ストレス)に対するコレステロールの影響を崩壊速度定数(kuとks)であらわした。 kuとコレステロール含量の関係はS字型曲線を示し、ksとコレステロールの関係にはひとつの屈曲領域のみが観察された。膜のこれらのストレスに対する抵坑が全く異なることを示している。エッグレシチンのみからなる程々のサイズのリポゾームの凍結前後における濁度はクイックフリージングによって著しく増加し、かつ初濁度にはほとんど依存しなかった。スローフリージングにおいては増加の度合が少なく、初濁度とほぼ平行に増加した。 前者による膜の損傷が極めて大きいことを示している。凍結リポゾームにおけるコレステロール含量(0-50モル%)に対する超音波照射時間の影響は、スローフリージングにおいて照射時間の長短に依存しなかったが、20モル%附近において濁度の著しい増加がみられた。クイックフリージングにおいても変化率は小さかったが極大を示した。したがって、20モル%附近において膜の水透過性が高く、すなわち、膜中水分量が高く凍結により構造損傷を受けやすいと考えられる。さらに、親水性,疎水性薬物との組合せとベシクルの物理的安定性の関係をあきらかにする必要がある。また、ベシクルの凍結乾燥への関連を解明したい。
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