研究概要 |
種々の化学発光反応を用いて生体成分の微量分析法を確立した。 1,ルミノール/フェリシアン化カリウムによる発光反応 グルコースオキシダーゼ(GOD)を標識酵素として用い、インスリン,α-フェトプロテイン,17-ヒドロキシプロゲステロン(17-OHP)を酵素免疫測定法(EIA)でフローシステムでの測定系を確立した。 2,ビス(2,4,6-トリクロロフェニル)オキザレート(TCPO)/蛍光色素(8-アニリノナフタレンスルホン酸,ANS)による化学発光反応 GODを標識酵素としたEIAで生成する【H_2】【O_2】を本化学発光反応で測定する方法で乾燥濾紙血液中のサイロキシン(【T_4】),17-OHPなどを測定した。又、標識酵素にβ-D-ガラクトシダーゼを用いGODと共役させて、本反応で検出する医薬品のEIAを確立した。 3,ルシゲニンによる化学発光反応 α-ヒドロキシカルボニル化合物がルシゲニンにより強く発光することを見出し、糖類,ステロイド類,カルボン酸のフェナシルエステル類の発光分析法とそのHPLCへの応用を検討した。又、インベルターゼを標識酵素とし生成する還元糖を本発光反応で検出する【T_4】,17-OHPのEIAも確立した。更にルシゲニンとイオン対化合物を生成成するステロイドの硫酸エステル類,胆汁酸の硫酸抱合体のフローインジェクション分析法を確立した。 4,NAD(P)Hの化学発光反応 電子伝達体である1-MPMSの共存下NADHより【O(^-_2)】(【H_2】【O_2】)を生成させ、イソルミノール/m-PODでの化学発光系を見出し、分析法の確立と各種の生体成分への応用について検討した。
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