研究課題/領域番号 |
60571069
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物系薬学
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
真弖 忠範 神戸学院大, 薬学部, 教授 (00098485)
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研究分担者 |
並川 真知子 神戸学院大学, 薬学部, 助手 (60155984)
濱 堯夫 神戸学院大学, 薬学部, 教授 (10068215)
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研究期間 (年度) |
1985 – 1986
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研究課題ステータス |
完了 (1986年度)
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配分額 *注記 |
1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1986年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1985年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | マウス倍養受精卵 / ブレディニン / 受精卵核移植 / 受精卵発生 |
研究概要 |
発生に伴う細胞の多様化は、核に含まれる遺伝情報発現の多様な様式に対応している。しかしその多様性がDNA上に起こる情報自身の不可逆的変化(突然変異など)によるのか、それとも塩基配列として示される遺伝情報には変化はないが、情報発現の調節機構の安定な変化によるものか、についてはいまだ解明されていない。個体のすべての細胞は一個の受精卵に由来するから、その増殖と分化のどの段階で、いかなる変化が起こるかを知る手がかりとして 1)催奇形成作用を有することが判明してBredininの受精卵初期発生に対する作用を検討する。 2)受精卵へ第3の核を移植することにより、受精卵初期発生、子宮内移植、催奇形成に対する影響を検討する。以上二方面よりの基礎的な検討を行なった。その結果、催奇形成作用を有するBredininは、受精卵初期発生過程における分化の第一段階(MorulaからBlastocystへの発生)を特に著明に抑制することが判明した。引き続いて受精卵発生の順にBredininの作用の検討を行なったところ、Bredininは着床準備期に相当するBlastocystのHatching,着床期に相当するBlastocystの接着作用(Attaching)、胎盤形成期に相当するTrophoblastの増殖など、すべての段階で抑制作用を示した。しかしながら、すでにTrophoblastの増殖を起こしているEmbryoのICM形成(胎児形成の初期に相当)については、Bredininによる抑制作用は認められなかった。次に受精卵核移殖実験では、受精卵の有する本来の核以外に新らたな核を移殖し、Blastocystへの発生に及ぼす影響を検討した。同系マウスの前核を移殖して三倍体としても50%以上の受精卵は正常にBlastocystに発生することが認められた。異種動物(ハムスター)細胞核を移殖した場合でさえ発生率は減少するがゼロになることはない。本事実は、遺伝疾患マウス受精卵へ正常核を移植することによる遺伝疾患治療の可能性を示すものであり非常に興味深い。
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